カフェでフランチャイズを始めるメリットとは?展開方法などを紹介


現代のカフェ経営事情は、どのようになっているのでしょうか。厚生労働省の調べによると、国内の喫茶店数は2008年以降より減少の一途をたどっています。

2008年:29.3万件
2011年:26.4万件
2014年:22.9万件
2017年:20.1案件

※データ出典:厚生労働省「今日から実践|収益力の向上に向けた取り組みのヒント|喫茶店営業編」
https://www.mhlw.go.jp/content/000841306.pdf

さらに、コロナ禍や物価高などの影響を受けて経営が難しくなっている店舗も考えられます。そのような状況において、フランチャイズ展開のカフェ経営も注目されています。カフェのフランチャイズ展開とは、どのような内容なのでしょうか。

今回は、カフェ業界のフランチャイズ展開方法について解説します。カフェ業界のフランチャイズ本部や加盟店の仕組みなどを紹介するので参考にしてみてください。

フランチャイズでカフェを始める場合の費用について


一般的に開業資金のかかる業種は、飲食店ではないでしょうか。飲食店は、店舗物件をはじめとする内外装の工事や調理器具や空調、照明などの設備が必要です。すべて一から準備するのであれば、1000万円以上の開業資金を用意しなければなりません。

ただし、フランチャイズ形式で開業する場合は、すでに完成しているビジネスモデルを活用します。そのため、個人で開業するより費用を抑えられるでしょう。

開業時にかかる加盟店の資金

フランチャイズで開業する際の加盟店が用意する資金は、出店する店舗物件の立地によって異なります。ただし、開業資金を抑えるのであれば、店舗運営に必要な設備や什器類などが利用できる居抜きも有効ではないでしょうか。元飲食店だった場合は、設備をそのまま使えるケースもあり、場合によっては500万円~の資金で始められることが考えられます。

開業後の加盟店にかかるランニングコスト

カフェや飲食店の開業は、フランチャイズ加盟店とはいえ開業当初の運営資金(ランニングコスト)も用意しておく必要があります。本部企業の成功ノウハウを使えるとはいえ、最初から黒字経営ができるかどうかは見当がつきません。

人件費や材料費などのランニングコストに対して、売上で補てんできない分を用意しておきましょう。ランニングコストとして100万円~200万円ほどの用意も必要だと考えられます。

フランチャイズでカフェを始めるメリット


フランチャイズでカフェを始める場合は、加盟店と本部企業それぞれにメリットがあります。

加盟店側のメリット

フランチャイズの加盟店としてカフェを開業した場合、加盟店には次のようなメリットが考えられます。

  • カフェ経営未経験でも開業できる
  • 開業までのステップがパッケージ化されている

加盟店は、カフェ経営が未経験でも本部企業から提供される経営ノウハウや運営マニュアルなどを活用できます。そのため、試行錯誤をしながら経営手法を考える必要がありません。また、カフェ未経験でも本部企業のブランドを活用できることで、ブランドを認知している顧客の利用が期待できます。

フランチャイズの加盟店は、本部企業が開業までのステップをパッケージ化している場合もあります。開業ステップがパッケージ化されていれば、スケジュールに沿って進められます。

本部企業側のメリット

カフェをフランチャイズで始めた場合、本部企業側のメリットは次のとおりです。

  • 自社社員を配属せずに多店舗展開できる
  • 自社ブランドの認知拡大につながる

企業が多店舗展開する場合は、自社社員を現場店舗に配属する必要があります。フランチャイズであれば、自社社員の配属が不要です。また、加盟店が本部ブランドを活用することで、本部企業側もブランド認知拡大のメリットを持っています。たとえば、福岡を拠点にしているカフェがあるとしましょう。そのカフェが札幌で開業した場合、利用経験のない顧客層はブランドを知る機会となります。

フランチャイズでカフェを始める加盟店のデメリット部分


本部企業は、フランチャイズでカフェを始めるために加盟店のデメリット部分の理解が必要です。

メニューや内装などが本部ブランドで制約される

加盟店にとって、本部企業の経営ノウハウを活用できる反面、本部企業の制約ルールのもとで運営しなければなりません。具体的には、メニューや内装などは本部ブランドで指定されるデザインやレイアウトになります。加盟店オーナーの判断ではなく、本部ブランドのルールに沿って進めなければなりません。

店舗の問題はフランチャイズ全体の問題へと発展する

フランチャイズ展開は、店舗展開の仕組みを再現することで軌道に乗ることも考えられます。ところが、フランチャイズ展開において、加盟店がトラブルを起こすことも考えられます。加盟店側だけではなく、本部企業が不祥事を起こす可能性もあるでしょう。

店舗の問題は、フランチャイズ全体の問題へと発展するため、加盟店1店舗の問題が企業ブランドの評判を下げるかもしれません。フランチャイズ展開では、そのようなリスクがあることも把握しておきましょう。

カフェでフランチャイズを始めるポイント


カフェでフランチャイズ展開する場合は、本部企業と加盟店それぞれが取り組むべきポイントを理解する必要があります。

本部に必要な取り組み

フランチャイズ本部に必要な取り組みは、次の3つの確立です。

  • 自社ブランドの確立
  • 経営ノウハウの確立
  • サポート体制の確立

本部企業は、フランチャイズ展開に向けて加盟店を募集する前に、これら3つの確立が求められます。これら3つの確立がひとつでも欠けた状態で進めてしまうと、開業後のトラブルにつながります。

加盟店に必要な取り組み

カフェのフランチャイズに参入する加盟店の取り組みで必要なことは、以下のとおりです。

  • 資金調達
  • スタッフ管理
  • 本部との連携・情報収集

一般的に資金調達やスタッフ募集、教育などは、加盟店側の負担になります。資金調達は、先述したとおりランニングコストまで考慮した準備が必要です。また、開店日に合わせてスタッフの募集や教育なども欠かせません。それらの情報は、本部との連携で得られる既存加盟店の参考事例からも把握できます。開業前は、本部企業との連携が重要になるでしょう。

カフェ業界のフランチャイズを展開方法

カフェ業界でフランチャイズ展開する方法は、次の点をふまえて進めましょう。

店舗を持たない加盟店への開業支援

カフェのフランチャイズ展開は、店舗の内装やメニューも大事ですが、立地なども重要なポイントです。店舗を持たない加盟店応募者の場合は、本部企業が立地などもふまえて店舗物件の獲得を支援しなければなりません。中には、既存店舗を居抜きで始められる場合もあります。

スタッフ教育支援

カフェでフランチャイズ展開する場合は、アルバイトやパートなどの現場店舗で働くスタッフの人数が増加していくでしょう。それら加盟店のスタッフが加盟店ごとに違ったサービスを提供してしまうと、ブランドの確立からかけ離れてしまいます。本部企業は、提供するマニュアルが加盟店で実用できる内容であるか確認することも大事です。スタッフ教育の支援として、マニュアルの整備は重要な取り組みと考えられます。

まとめ

今回は、カフェのフランチャイズ展開について解説してきました。カフェでフランチャイズ展開する本部企業と加盟店それぞれに必要なポイントを紹介してきました。本部企業が加盟店募集前に準備しておくことは、スタッフ教育のためのマニュアル整備や経営の仕組みなどです。加盟店側は、十分な資金調達とスタッフ管理などが求められます。双方に必要なポイントを把握したうえで取り組んでみましょう。