保険代理店の手数料の相場!生命保険と損害保険の違いなどを紹介


代理店のビジネスモデルの中でも、手数料の報酬で左右される業界が保険代理店です。保険代理店は、保険会社の商品を販売して、その販売手数料が報酬となるビジネスモデル。代理店制度のビジネスモデルでは、古くから根付いています。息の長いビジネスモデルということは、手数料報酬を継続できるポイントなどがあるのでしょうか。

この記事では、保険代理店の手数料について解説します。生命保険や損害保険の手数料の違いやコストとの関係なども紹介しましょう。保険代理店の内情に興味のある企業担当者は、お役立てください。

保険代理店の手数料とは


保険代理店の手数料は、保険会社の提供する保険商品を顧客に販売することで成果として得る報酬のことです。保険代理店は、保険会社の販売代理店として保険商品を取りあつかいます。その契約は、業務委託の関係です。つまり、保険代理店の手数料は、保険商品の契約で発生する業務委託料とも判断できます。

保険代理店は、複数の保険会社と提携して複数の保険商品を取りあつかう場合もあれば、特定の保険商品に特化している場合もあります。

保険代理店の手数料率相場

保険代理店は、営業活動により保管会社の顧客との契約が成立することで、手数料の成果地点となります。一般的な手数料相場は、生命保険と損害保険の場合で異なります。

生命保険の手数料相場

保険会社の生命保険商品の手数料は、顧客と契約が成立したタイミングで加算されます。一般的に生命保険の場合は、契約した保険金額の5~7%とのことです。また、保険会社や保険商品によって、手数料を受け取れる期間が異なります。

保険の契約は、保険金を一括で支払う人や月払いの人などさまざまです。月払いの契約の場合は、終身保険だとしても手数料受取期間が事前に設定されています。たとえば、契約開始から最大で5年とか、最大7年とかです。

そのため、保険会社から提供される保険商品を選ぶ際は、手数料だけではなく手数料受取期間の長さも確認しましょう。

損害保険の手数料相場

損害保険の場合は、1年ごとの契約の見直しが多い保険商品です。生命保険と異なり数年の継続ではなく、1年ごとに契約を見直す商品タイプがほとんどではないでしょうか。また、手数料の相場は、15%~20%と生命保険より高めになっています。

ただし、損害保険の場合は手数料に手数料ポイントという制度が加算されます。手数料ポイント制度は、代理店ごとに報酬の格差を生み出す制度です。通常であれば、20%前後の手数料を見込めるところ、保険会社からのポイント制度を加算されて報酬が減ってしまう代理店も存在します。

この仕組みは、全国商工新聞でも取り上げられており、コロナ禍で営業活動を自粛し業績の厳しかった保険代理店にとっては、手数料ポイント制度ではなくシンプルな手数料率を求めている状況です。たとえば、100万円の損害保険の契約が成立した場合、一律20%の手数料であれば次の金額になります。

100万円×20%=手数料20万円

しかし、手数料ポイント制度を採用している保険会社の場合はポイント制が加算されます。

ポイント20(%)の場合:手数料20万円×20%=4万円
ポイント50(%)の場合:手数料20万円×50%=10万円
ポイント80(%)の場合:手数料20万円×80%=16万円
ポイント100(%)の場合:手数料20万円×100%=20万円
ポイント120(%)の場合:手数料20万円×120%=24万円

 
手数料ポイントは、100以上であれば通常以上の手数料報酬を受け取れます。ここで差別化された手数料に対して、通常以上の金額を受け取れる人もいれば、手数料ポイント20%で減額となる代理店も生み出します。この格差に不満を持っている事業者が見直しを求めている状況です。

データ参照元URL:https://www.zenshoren.or.jp/2023/01/16/post-22649#:~:text=%E8%A9%B1%E3%81%97%E3%81%BE%E3%81%97%E3%81%9F%E3%80%82-,%E6%89%8B%E6%95%B0%E6%96%99%E3%83%9D%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%83%88%E5%88%B6%E5%BA%A6,%E7%94%9F%E3%81%98%E3%82%8B%E3%82%88%E3%81%86%E3%81%AB%E3%81%AA%E3%81%A3%E3%81%9F%E3%80%82

保険代理店が儲かるために理解しておくべき仕組み


保険代理店は、手数料を受け取る仕組み次第で儲かるか儲からないかが決まります。先ほど説明した損害保険の場合は、手数料ポイント制度で受取額が減少するかもしれません。また、生命保険の場合も手数料率だけではなく受取期間の設定を理解する必要があります。

一時払い

保険商品ごとに設定されている手数料のルールは、一時払いと月払いで分けて考えることが大事です。一時払いは、保険契約成立の翌月に設定された金額をまとめて受け取れます。ただし、受け取りは一度だけになる点に注意しましょう。契約に至るまでの時間やコストから判断することも必要です。

月払い

月払いは、保険商品の契約により契約期間中翌月から定期的に受け取れるタイプです。小さな金額でも月払いの契約を10件~20件ほど抱えられれば、安定した継続報酬を期待できます。たとえば、1件2万円の月払い報酬を20件抱えていれば、毎月40万円の安定収入が見込めます。

ただし、月払いの手数料報酬には、終身保険であっても受取期間が設定されています。商品によって5年または7年で設定しているため、設定期間を見越した新規契約の獲得は必要です。

手数料に影響する保険代理店の経費とは


保険代理店は、保険商品を紹介して顧客との契約をとるまでに経費が発生します。現代では、インターネットを活用したリモート商談や資産運用ウェビナー開催などがあるため、コストを抑えられます。それでも保険代理店として事業活動を始める際は開業に必要なコストが考えられます。考えられる出費は、次のとおりです。

  • パソコン
  • プリンタ
  • インターネット回線利用料
  • 事業所の固定電話
  • 事務所備品(机・椅子など)
  • 事務所の家賃
  • 開業時の事務所敷金・礼金など
  • 代理店賠償責任保険加入料
  • 事務所の火災保険

これらは、保険代理店の開業時にかかる基本的な部分です。家賃やインターネット、電話などは、ランニングコストにあてはまります。保険代理店の収入源は、保険会社から受け取る成果に対しての手数料です。手数料は、顧客との契約となる成果を出せなければ受け取れません。そのため、契約件数がなければ、経営は赤字となってしまいます。

また、保険会社によっては、インセンティブにあたるボーナス制度を設定している場合もあります。個人事業主として運営している保険代理店は、成果を出さなければ収入がゼロである完全歩合制の状態です。会社員とは異なり、ボーナスや退職金などもありません。

そのような厳しい環境下でも、保険代理店は、顧客との関係性を継続するための接待費なども必要になります。接待費は、契約前の顧客との打ち合わせで使う飲食代やアップセルやクロスセルを目的に送る年賀はがきやダイレクトメールなどです。ただし、時代の変化による形式だけのコミュニケーションは、だんだんと減少傾向になっていることも考えられます。

まとめ

今回は、保険代理店の手数料について解説してきました。保険代理店の手数料は一時払いと月払いと顧客の支払い方で収益も変わってきます。一時払いなどは、まとまったお金のある顧客に限ります。そのため、一時的に大きな成果を得られますが、継続性のない単発報酬となるでしょう。

それに比べて、月払い報酬は代理店ビジネスのストック型報酬にも当てはまります。月払いの顧客を複数獲得することで、安定した月額報酬を期待できるでしょう。長期的に安定した収益を追求するには、小さな月払いの保険商品で取り組むことも方法のひとつです。