化粧品の代理店という選択肢!元化粧品メーカー勤務経験を活かした開業方法
「化粧品の販売店として独立開業したい」
このような希望を持って化粧品販売店を目指している人は少なくありません。まして、元化粧品メーカーで働いていた経験があったり、化粧品アドバイザーとして活躍されていたり経歴があればなおさらのことです。
今回は、化粧品販売店の開業から、化粧品の代理店で開業する場合の知識まで解説します。過去に化粧品メーカー勤務経験がありながら、育児や介護などで復帰を断念した方など、代理店の仕組みで再考の機会となれば幸いです。
化粧品販売店を運営するには
化粧品販売店を運営するには、経験は大きな武器となります。何らかの理由で化粧品メーカー勤務から遠ざかってしまった場合、化粧品メーカー勤務経験があれば、その知識を使わない手はありません。
化粧品販売店の開業を考えている方が、化粧品アドバイザーとして顧客対応の実績があればなおさら経験を活かせます。その理由としては、顧客は化粧品を求めているのではなく、化粧品を使って改善できた未来をイメージしているからです。顧客に対して、的確なアドバイスができるのであれば、化粧品販売にとって大きな武器になるでしょう。つまり、化粧品ではなく化粧品に対しての知識を活用したアドバイススキルが活かせることが大事です。
化粧品販売店を開業する際に知っておくべき5つのポイント
化粧品販売店を開業するには、知っておくべき5つのポイントがあります。
ポイント1:開業に必要な許可
化粧品販売店を開業するには、許可なく販売できるケースと許可が必要なケースがあります。
【許可なく販売できる場合】
メーカーの化粧品を販売する
他社が海外から輸入した化粧品を販売する
【許可が必要となる場合】
自社で作った化粧品を販売する:化粧品製造業許可証と化粧品製造販売業許可証
自社で海外から輸入した化粧品を販売する:化粧品製造販売業許可証
販売する化粧品に対して薬事法に抵触することを防止する:薬機法
【自社オリジナルの化粧品を販売する場合】
自社オリジナルの化粧品販売の仕組み:化粧品製造販売業者とのOEM契約
OEM化粧品であれば、必要な許可を化粧品製造販売業者が持っているため必要ありません。OEM化粧品とは、化粧品受託製造による商品のことです。化粧品製造許可を持っている業者が販売業者のオリジナル化粧品として化粧品を提供します。
ポイント2:開業に必要な資格
化粧品販売店は、販売だけであれば特に資格は不要です。過去に化粧品メーカー勤務経験があれば、勤めていたことを証明する過去のデータなどがあればお客様へのアピール材料になるかもしれません。
化粧品販売店を個人事業主として開業するのであれば、開業申請を管轄の税務署で手続きするだけです。法人として開業するのであれば、税務署以外にも社会保険事務所への申請が必要となります。自分以外に従業員の雇用が必要な場合は、ハローワークや労働基準監督署への届け出も必要です。
また、資格ではないけれど、手続き面や業者との交渉から、販売などでコミュニケーション能力は必須スキルとなります。
ポイント3:開業に必要な資金
化粧品販売店の開業に必要な資金は、店舗規模や立地場所などによりさまざまです。あくまで例として、
OEM化粧品のネット通販で無店舗営業の場合は、次のようなコストが想定できます。
OEM製造コスト:200万円
広告宣伝コスト:100万円
その他、人を雇うのであれば人件費や開業に必要な備品代も想定できます。
ポイント4:仕入れに対しての利益率
化粧品販売に限られたことではありませんが、仕入れに対しての利益率の設定はビジネスの指標として重要です。利益率は、3つの視点が指標となります。
市場・競合の価格から商品価格を設定して利益率を算出
あらかじめ設定していた原価率から販売価格を設定して利益率を算出
あらかじめ設定していた利益率から販売価格を設定
この方法が適しているというよりも、すべてを統合して判断することが求められます。仕入れ値と利益の割合だけではなく、競合他社の価格を参考に価格設定を決めるイメージです。
ポイント5:化粧品販売店経営のリスク
化粧品販売店経営には、メーカーやOEM業者からの仕入れリスクがあげられます。資金繰りにゆとりがあれば問題ありませんが、資金調達で無理して金融機関から融資を受けていれば、財政状態や経営成績次第でキャッシュフローが回らなくなる事態も考えられるでしょう。
また、仕入れの際の最低ロットなどについても理解しておかなければ、予想以上の在庫を抱えてしまうことがリスクとなります。
化粧品メーカーの代理店になるには
化粧品販売店ではなく、化粧品メーカーの代理店になるには、どのような手順などが必要になるのでしょうか?先ほど、化粧品販売店として実店舗を構えた場合、仕入れリスクについてふれました。では、代理店制度を使った場合は、仕入れリスクや販売コストなどに違いが出るのでしょうか。ここからは、化粧品の代理店として開業した場合について解説します。
化粧品会社の販売代理店として応募する
化粧品の代理店は、化粧品会社の販売代理店として応募する必要があります。企業によっては、無店舗の応募者でも代理店販売パートナーとして認定されることも考えられるでしょう。または、まったく異業種であっても、販売だけならば資格を必要としないため、代理店として認められる可能性があります。
一次代理店として認められる
代理店ビジネス契約ができれば、一次代理店として認められることも考えられます。一次代理店は、化粧品提供元企業と直接やり取りできる最も関係性の強い立場です。販売手数料や取扱商品など、他の代理店と差別化された待遇を受けられます。ただし、一次代理店になる責任と負担が大きくなるでしょう。
一次代理店と二次代理店の仕組みを利用しているメーカーは、管理する企業を一次代理店までにしている場合が考えられます。そのため、一次代理店はメーカーと二次代理店の間にいる中間管理を担当する役割です。企業の方針により異なりますが、一次代理店が二次代理店を管理して、自社直販を担当しない場合も考えられます。
二次代理店になる
二次代理店として契約したん場合は、一次代理店の販売網として営業に専念できます。また、ネット通販を中心に展開する場合は、無在庫で営業することも可能です。一次代理店と比べて身軽な分、メーカーとの関係性が弱くなります。
化粧品の代理店ビジネスでは、二次代理店にある秘めた可能性が考えられるでしょう。二次代理店になることの秘めた可能性とは、一次代理店のような管理業務がなく販売のみに特化できるため、販路を拡大できれば手数料収益を増やす可能性を秘めている部分です。
一次代理店は二次代理店の販売数に依存している部分があるため、二次代理店に対して良きパートナーの立場となります。つまり二次代理店には、サポーターとして一次代理店が協力体制をとっている状態です。仕入れリスクがなく、小資本で始められれば、全国エリアを対象に販路拡大でチャンスを作れるかもしれません。
まとめ
この記事では、化粧品販売店を開業する際に必要な知識を解説してきました。リアル店舗やネット販売においても、商材となる化粧品在庫を抱えるシステムでは、在庫リスクが発生します。ただし、リスクをかかええている立場だからこそ、メーカーとの関係性が深くなるメリットも持ち合わせているのが現実です。
リスクをとって一次代理店を目指すか、仕入れを必要としない二次代理店で販売活動に注力するか、将来を見すえて考えてみることが大事です。