本業と相乗効果が高い代理店ビジネスを探そう
本業で身についたスキルを活かせるのが、代理店ビジネスです。代理店ビジネスは、本業との相乗効果が出る点に大きなメリットがあるでしょう。たとえば本業が農業だったら、次のような代理店ビジネスが考えられます。
- 農薬散布の動画配信や農業のIT化の促進により→産業用ドローンの販売代理店
- 農機具の時短手入れ方法などを紹介→農機具の販売代理店
など、あらゆるビジネスモデルが想定できるでしょう。本業では、経験のない販売業務にもたずさわれます。
今回は、本業との相乗効果が出る代理店ビジネスを見つめるためのポイントの紹介です。現在より、本業だけでは将来が不安な副業を考えているビジネスマンに役立つことでしょう。
本業と相乗効果のある代理店ビジネスを探すためのポイント
本業との相乗効果が見込める代理店ビジネスを見つけるためには、いくつかポイントがあります。
- 需要があるか
- 本業をどのポイントで活かせるのか
- 代理店を本業化できるのか
- スグにはじめられるか
需要があるか
本業のスキルが活かせる代理店ビジネスは、需要がなければ開業しても上手くいきません。その理由は、すでに飽和している市場の場合、顧客に価値を感じてもらえないからです。
需要については、代理店の商品を提供してくれる本部の持つ需要ではありません。代理店として扱う商品を自分がどのようにして、顧客に訴求するかです。具体的に説明しましょう。
冒頭であげた「農機具の販売代理店」の例です。農機具メーカーの代理店として、メーカー名を全面的に出してしまうと、従来ある農機具メーカー支店のような代理店となってしまいます。たとえば農機具メーカー直営店で働く営業マンが、顧客から評価を受けて、「この人から買いたい」と感じる需要です。
つまり、代理店ビジネスの需要ポイントは、メーカーから代理販売を委託される農機具ではなく、最終的に農機具を提案する代理店の営業の仕方にあります。農機具の例でいう需要のポイントは、「代理店のオーナーが独自の需要を見つけられるか?」となうでしょう。
本業をどのポイントで活かせるのか
農機具の例で話を進めていくと、代理店ビジネスをはじめるにあたって、本業の農業を代理店ビジネスにおいて、どのポイントで活かせるか?です。単純に、横のつながりを使って、農家仲間に「新しい農機具が必要ならウチに声をかけてもらえますか?」だけでは、ビジネスは進みません。
いままで農家経営を本業として積み重ねてきた中で、「何が自分の得意とする分野なのか?」「どの得意を農機具とマッチングさせるには、どの部分か?」を見極めて考える必要があります。この時点で、自分の得意が「野菜の出荷時の箱詰め」であれば農機具の販売代理店との距離が遠くなるでしょう。
そのような場合は、ビジネスで選ぶ商材を変更することも、カンタンにできる点が代理店ビジネスの大きな特徴となります。たとえば、このケースでは「箱詰めの用の機械」や「緩衝材」などが考えられるでしょう。
代理店を本業化できるのか
本業との相乗効果のある代理店ビジネスを見つけるためには、「需要」や扱う商材の「独自性」などの将来性をみこして、本業化できるかどうか?もポイントとなります。本業として続けてきた農家経営よりも、費用対効果の高さや安定した売上が見込める場合は、本業にすることも選択肢の1つです。
スグにはじめられるか
代理店ビジネスがスグにはじめられるかどうか?についても、商材選びのポイントとなります。代理店へ商材を供給する本部との契約がわかりやすく、手間がかからない点や、販売しようとしている商材の実現性ではないでしょうか。
たとえば農家経営を本業としている人が、農地の一部に建物をたてて、飲食店を経営する場合です。
「自分の畑で収穫できる野菜を使ったレストランを開きたい」
「レストランを経営しながら、メーカーから取り寄せた酒類を代理販売したい」
この例は、すこし極端になりますが、採れたての新鮮野菜を使ったレストランで美味しいビールを提供し、代理販売するビジネス目的です。この場合、次の申請など手間暇がかかります。
- 農地転用許可(条件により許可が下りないことも)
- 建造物許可
- 飲食店営業許可
- 消防署許可
- 酒類販売許可
- 地域自治体の条例にそった許可
- 店舗建築期間
極端な例になりますが、この例だと計画を実行開始してから数年かけて、やっとビジネスをはじめられることになるかもしれません。このようなビジネスモデルの場合は、現在の需要の移り変わりから、ビジネス機会を逃してしまう可能性もあります。そのため、代理店ビジネスは、スグにはじめられる手軽さがポイントとなるでしょう。
身軽にはじめて、自分の代理店ビジネスの市場の変化を見すえながら、あつかう商材を変更できる点も代理店ビジネスの特徴ではないでしょうか。
代理店のメリット
本業との相乗効果のある代理店ビジネスを探すポイントで紹介した内容から、代理店ビジネスには、次のメリットがあるでしょう。
- 本部との契約でスグにはじめられる
- リスクが少ない
- 大手メーカーの看板を掲げられる
ここで紹介した3つのメリットのうち、2つのメリットは「農家経営」の例で少しふれました。代理店ビジネスのメリットは、スグにはじめられて、やめやすい点です。供給元となる本部は、コロナの影響による営業マンの訪問営業を自粛しているため、販路拡大のメリットがあります。そのため、供給元もスグに契約することに断る理由が見当たらないでしょう。
また、代理店ビジネスであつかう商材によっては、在庫を抱える必要がありません。そのため代理店ビジネスは、リスクが少ないのです。3つ目のメリットは、あつかう商材がすでにブランディング効果を持っている場合、供給元メーカーの看板をかかげて、ブランドイメージで訴求することもできます。
代理店のデメリット
代理店ビジネスは、メリットだけではありません。デメリット部分もあります。
- フランチャイズのように仕組化がされていない
- 自由な経営ができるため自己管理が重要
代理店ビジネスは、フランチャイズのように仕組化されていません。また代理店に対して、本部のサポートが不十分の場合が多いことが考えられるでしょう。
そのため冒頭で紹介したように、本業との相乗効果が出せる代理店オーナーが持つ「需要」や「独自性」が必要になります。つまりメーカーにたよった販売戦略ではなく、自分独自の販売戦略を実行することが大事です。
代理店ビジネスは、売上に保証がない点もリスクとなります。一見、自由な経営に見えますが、すべて自分で責任をもった対応が必要なため、自己管理能力が大事です。
代理店契約の注意点
最後に代理店ビジネスの注意点を紹介しましょう。
- 契約形態に注意
- 取り扱う商品やサービスがどのような需要があるか?注意
- 「商標・ロゴ ルール」の取扱いに注意
- 独占権についてのルールに注意
- 契約の有効期限に注意
- 報酬条件について注意
- 販促費の負担割合に注意
- 損害賠償など条件範囲に注意
- 契約終了時にやるべきことに注意
上記の注意点をチェックして、問題がなければ代理店ビジネスをスムーズにはじめられるでしょう。代理店ビジネスは、メーカーとの契約さえうまくいけば、あとは本業との相乗効果により、独自のビジネス領域で需要を生みだせます。ぜひ参考にしてみてください。