保険代理店は個人事業主でも儲かるの?独立のヒントを解説!
そもそも、個人で保険営業を始めた場合、儲かるのでしょうか?
副業や兼業、フリーランスなど多様な働き方が増えている昨今、保険商品の営業を個人で取り組むことも考えられます。この記事では、保険代理店を個人で始めたい方向けにどの程度の儲けがあるのか?について解説します。生保や損保の営業を個人で行った場合の儲けについて調べている方は、ぜひお役立てください。
保険の外交員が個人事業主である理由
保険会社や保険代理店などで顧客を担当する人の肩書に「保険外交員」という表記を目にしたことがありませんか。保険外交員は、保険契約の勧誘や代行、契約された顧客の相談などを担当する役目を持ちます。
保険外交員は、多くの場合が契約による歩合報酬制です。顧客への営業活動で保険に加入してもらう必要があります。収入は、新規顧客の契約や既存顧客の契約見直しなどで成立した際の手数料です。報酬として受け取る契約手数料は、申告上、事業所得に該当します。そのため、事業所得を受け取る保険外交員は、個人事業主にあてはまります。
保険外交員は稼げるか?
保険外交員であれば、経験や資格があるため、多少なりとも販売実績を持っているでしょう。つまり、保険代理店を始めるにあたって、保険外交員としての知見や実績をふまえていれば、ある程度の見込みも考えられるでしょう。
保険外交員は、生命保険協会が実施している業界共通試験の一般家庭試験に合格しなければなりません。試験に合格すると、生命保険募集人の資格が与えられます。つまり、生命保険募集人の資格がなければ保険外交員になれないため、保険代理店を始めるにあたって、保険会社や保険代理店で業務経験が必要です。
また、契約をとれない(契約獲得実績のない)保険外交員では、保険会社本部から代理店として認められないことも考えられます。
保険外交員は高額報酬も狙える?
保険外交員は、保険代理店として独立した場合、高額報酬が期待できるのでしょうか?保険商品という特徴から、自動車保険以外で考えると1件の成約単価は高額です。1契約で年収分稼ぐ可能性もあります。つまり、個人の能力次第では、高額報酬も夢ではない仕事です。
保険代理店の独立とは
保険代理店で独立することは、他業種と比べると初期費用の少ない点がメリットになるでしょう。たとえば、飲食店を始める場合は、初期投資で店舗を取得したり、設備や材料費を用意したりします。その点、保険代理店が扱う保険商品は、無形商品であるため保管場所が不要です。店舗を構えること以外では大きな初期費用がありません。そのため、初期費用の掛からない点が特徴です。
ただし、保険代理店で独立する場合は、保険商品に対しての専門知識や法律などを常に学び続ける必要があります。保険商品のルールや契約者保護を目的にした法律は、随時施行や改正を行っています。そのため、保険の知識のない未経験者にとってハードルの高さが考えられます。
保険代理店独立後の年収
保険代理店として独立した後の年収は、どの程度になるのでしょうか。冒頭でも触れましたが、保険代理店の報酬は、個人事業主とみなされます。
報酬の発生タイミングが契約成立による代理店手数料です。そのため、小口商品の契約件数を増やすか、大口商品の成約を着実に獲得しなければある程度の売上を確立できません。結果的に、保険代理店の年収は平均値をあらわせない状況です。その理由は、契約件数や商品の規模にもよることが考えられます。
また、保険代理店の場合は、法的な規制変更を受けることが年収へも影響します。法律の規制が変わると、保険業界の規約も変わることが考えられます。直近まで売れ筋だった保険商品も法的な規制変更により売れなくなることも珍しくありません。業界の売れ筋が変わるため、保管代理店の年収は市場の動向も含めて予測する必要があります。
個人事業主から法人化も?節税で差がつく年収
保険代理店は、個人事業主であるため、収入額によっては確定申告が必要です。ある程度の売上が上がっている場合は、法人化することで得られるメリットは少なくありません。
法人化するための手続きに手間やコストが掛かりますが、法人として計上できるコストや助成金、補助金などの節税対策なども受けられます。代理店としての状況や将来のビジョンなどもふまえて事業形態を考えてみてはいかがでしょうか。
保険代理店で独立する際の手順
保険代理店で独立する場合は、次の手順で進めます。
保険代理店の形態を選ぶ
保険代理店は、3つの形態に分類され、業務内容や目的などから判断します。
副業代理店:本業とつながる保険商品を扱う代理店
乗合代理店:複数の保険商品を扱う代理店
専属代理店は、特定の保険会社限定の代理店です。専属契約の関りから販促につながる情報や特典などを受けられる可能性があります。
副業代理店は、本業のサービスにリンクする保険商品を仲介できるメリットがあります。たとえば、航空会社や旅行会社が海外での盗難や事故にあったときの旅行保険の販売を副業にするケースも少なくありません。
乗合代理店では、保険会社に依存することなく複数の保険商品を提案できる点が顧客目線の仲介になるでしょう。
開業資金の調達
保険代理店は、店舗準備や法人化する際にまとまった開業資金が必要な場合もあります。自己資金の範囲内であれば問題ありませんが、資金が乏しい場合は融資が必要になるでしょう。資金調達の手段では次のような方法があります。
投資家や金融機関から出資を集める:返済義務はないが法人の場合は株式の譲渡あり
国の公的補助金や助成金を受ける:返済義務はないが審査が厳しい
上記以外の資金調達方法もありますが、基本的にリスクの高さが考えられます。民間の金融機関から無保証の融資を受けるプロパー融資です。プロパー融資も開業したての事業者ではなかなか難しいのが現状。とはいえ、高金利の民間のローン会社から借りたり、親族から資金調達したりすれば返済トラブルなどが考えられます。他には、クラウドファンディングやビジネスコンテストに参加して出資を集める方法もあります。
開業資金を投入していよいよ独立が実現したら、代理店として提携する保険会社から保険商品を扱う承認が必要です。提携する保険会社の取り決めによりフランチャイズ制であれば加盟金を求められます。そのため、保険商品を扱えるまでに必要な経費を事前調査することも必要です。保険会社によっては、承認まで2カ月から3カ月ほどかかる場合もあるため、事前調査は必須です。
まとめ
この記事では、保険代理店で独立開業して稼げるかどうかについて解説してきました。保険代理店は、提携する保険商品を扱う保険会社の承認が必要です。また、保険外交員としての資格や実績がなければ独立は難しくなるでしょう。
保険は、顧客にとって長期間の付き合いとなる高額な買い物です。それだけに、保険商品契約者を保護する目的で法律の整備や改正などが行われます。
また、保険代理店で独立する場合は個人事業主で始めたとしても、売上が伸びることも考えられます。その場合は、節税や出資などで法人化することも選択肢のひとつです。自分に適した方法を選んでみてください。