営業代行は代理店とちがう?特徴や相性よい業種・メリットデメリット
「営業代行と代理店って同じではないの?」
代理店と営業代行は、ちがいます。代理店と営業代行は、どのような特徴がちがうのでしょうか。この記事では、代理店と営業代行の特徴やメリットデメリットについて紹介します。報酬形態の違いなどから今後のビジネスモデルとして、どちらを選ぶか?参考になるでしょう。
代理店と営業代行の違いとは
代理店と営業代行の違いについて解説します。代理店と営業代行の違いは、顧客との関係性になるでしょう。具体的には、次の2つがあげられます。
営業代行:顧客と営業成果だけの関係性
代理店:顧客企業のブランディングイメージを兼ねた関係性
営業成果だけの関係性
営業代行の場合は、営業プロセスだけを代行するサービスとなります。あくまでも、顧客が求める営業成果だけです。そのため顧客企業に対して、ビジネス戦略のアドバイスなどは期待できないでしょう。
営業代行に依頼した場合は、成果達成に向けて方法など開示されずに実行されます。たとえば、営業代行に依頼する成果が「テレアポによる50件の商談予約」の場合、50件の商談機会を得ることはできます。しかし、50件の商談予約に対して「どのような営業をしたのか?」プロセスの開示がないでしょう。
営業代行は、営業手法を持っているプロ集団となります。顧客に営業手法を開示しない成果だけの提供です。営業代行との関係性は、顧客にとって営業活動だけを専門業者に外注依頼するイメージです。
代理店としてブランディングイメージを兼ねた関係性
代理店は、商材提供元となるメーカーの代理となって、顧客に商品を販売するビジネスモデルです。メーカーの代理となってメーカー製品を販売する形式を販売代理店といいます。
代理店は、営業活動だけではなくメーカーの企業ブランドも受け継ぎ、ブランディングイメージも兼ねる関係性が営業代行とちがう点となるでしょう。
また、代理店は営業代行と違って自社に営業活動に力を入れなくて済む点があげられます。営業活動のために人材を雇用したり育成したりする必要がありません。代理店ビジネスの多くは、メーカーから営業活動に必要なツール(ノウハウ・資料・教育システムなど)を用意されるからです。
代理店ビジネスとは
代理店ビジネスについて、詳しく解説します。代理店ビジネスは、大きく2つの形式に分けられるでしょう。
販売代理店(再販代理店)
紹介代理店(取次代理店)
代理店は、おもに販売代理店のことを指します。販売代理店とは、メーカーの商材を代理で販売して販売手数料を報酬とするビジネスモデルです。紹介代理店は、メーカー商材の紹介により顧客を送客して、紹介手数料を報酬とするビジネスモデルになります。
代理店の特徴
代理店の特徴は、商材の供給元となるメーカーの販売パートナーである点です。販売パートナーとしての関係性は、代理店の種類によりちがってきます。
販売代理店の場合は、販売手数料をコミッションとして、メーカーが希望する販売価格で顧客に販売する仕組みです。顧客との売買契約はメーカーと行われるケースが多いため、仕入れの必要性と在庫を抱える必要がありません。代理店は、商品を供給するメーカーの代理として販売手数料を売上とするので在庫リスクを避けられます。
メリット
代理店ビジネスのメリットは、次の通りです。
メーカーとの契約次第ですぐに始められる
ビジネス開始までのプロセスを短くできる
初期投資などコストを抑えられる
在庫リスクがない
インターネット販売であれば実店舗を持つ必要がない
商材の自社開発にかかるコストがいらない
メーカーのブランドを自社ブランドとしてかかげられる
代理店ビジネスは、全体に実店舗ビジネスと比べて身軽に取り組めます。そのため、ビジネス初心者でも比較的に始めやすいビジネスモデルとなるでしょう。
デメリット
代理店ビジネスのデメリットを紹介します。
売上ノルマがないため収益の保証がない
メーカーの事情により販売停止や終了となるリスクがある
フランチャイズビジネスのようにメーカーからの営業支援がない
代理店ビジネスは、フランチャイズビジネスのようにメーカーとの関係性が高くない点がデメリットです。収益の保証がなく、急な販売終了のリスクもあるため自社の営業能力に負担がかかります。
代理店と相性のよい業種
代理店ともっとも相性のよい業種は、通信業界です。携帯電話やインターネット回線の契約などがあげられます。代理店と相性のよい業種は、次の通りです。
携帯電話サービス契約代理店
インターネット回線プロバイダ契約代理店
電力プラン契約代理店
営業代行とは
営業代行とは、すべての営業活動か、営業活動の1部を外部の企業に委託するビジネスモデルになります。
営業代行の特徴
営業代行は、企業の営業活動を代行するサービスが特徴です。具体的には、次のような営業活動の代行となります。
リストを活用したテレアポ業務による商談機会創出
営業に向けた広告の作成と掲載
営業に向けたダイレクトメールの作成と発行
見込み客との商談など
営業代行は、企業より依頼された営業活動のみを実行して、成果報酬が売上となるビジネスモデルです。
メリット
営業代行のメリットは、次のような点があげられます。
販売する商材を自社の営業力次第で多く販売できる
成果地点が明確である
営業代行業者が商品の仕入れや在庫を抱える必要がない
顧客側から見た営業代行のメリットは次の通りです。
自社営業リソースを外注できる
即戦力となるプロの営業力が活用できる
社内において営業の研修が不要となる
企業は、営業代行を活用することにより、自社の営業部署設置が必要なくなります。さらに成果報酬であれば、プロの営業力により高い成果が見込める点がメリットとなるでしょう。
デメリット
営業代行のデメリットについて紹介します。
専門知識の高い業種業態の営業には向いていない
営業活動の管理を把握できない
自社の営業能力向上にはならない
営業代行は、あくまでも営業活動を外部の専門家に依頼することが基本です。代行業者と依頼企業は、契約による関係性となるため、依頼企業の営業能力の向上にはならないでしょう。
営業代行と相性のよい業種
営業代行と相性のよい業種は、次の通りです。
物販販売
Webコンテンツ制作
士業紹介
業務系ソフト販売
人材派遣など
ただし、先述したとおり専門性の高すぎる業種(医療関係など)の場合は、代行業者が必要とする資料次第で成果が高額となるでしょう。
営業代行の報酬形態
営業代行は、2つの報酬形態で分けられます。
成果報酬型営業代行
固定報酬型営業代行
営業代行の成果報酬
成果報酬型営業代行は、設定された成果地点により報酬が発生する形式です。次のような成果地点が考えられます。
送客(テレアポ)
商談機会創出
商談成立など
成果報酬型は、依頼企業にとってコストが明確です。そのため、無駄な経費をおさえられる点が特徴となります。
営業代行の固定報酬
固定報酬型の営業代行は、月額や年額により固定された報酬で営業活動する形式です。固定報酬型の場合は、営業活動を全面的に依頼できたり、営業プロセスの開示もできたりします。そのため、依頼企業にとっては専属の営業担当となるでしょう。
まとめ
今回は、代理店ビジネスと営業代行の違いについて、それぞれの特徴を解説してきました。代理店ビジネスと営業代行の違いは、ビジネスの依頼主との関係性です。営業活動だけではなく、企業ブランドも自社ビジネスで活かす場合は代理店ビジネスがオススメとなるでしょう。