フランチャイズのリスクとは?デメリットと失敗しやすい事業者タイプ


「フランチャイズを始めた場合、どんなリスクがあるのだろう」

フランチャイズ経営を目指す加盟店は、リスク面も把握しておかなければなりません。リスクとなる部分は、本部企業との契約において守る必要があります。フランチャイズビジネスは、本部企業と加盟店の連携により成り立つビジネスモデルです。

本部企業は、加盟店が実績を出しやすいように商材やマニュアルなどを提供する必要があります。加盟店は、本部企業の商標やブランドを活用するためのルールを守らなければなりません。そのうえで成り立つビジネスモデルです。では、加盟店のリスクとはどのような内容でしょうか。

この記事では、フランチャイズビジネスで考えられるリスクについて、デメリットとなる部分を解説します。
また、デメリットを克服できずに失敗で終わりやすい事業者のタイプも紹介するので参考にしてみてください。

フランチャイズビジネスのデメリット


フランチャイズビジネスは、加盟店にとってリスクとなる部分があります。そのリスクに関する部分は、本部企業との契約内容です。それでは、加盟店のリスクがどのようなデメリットになるかを解説します。

ロイヤリティの支払いリスク

加盟店は、本部企業とフランチャイズ契約を交わすと、通常はロイヤリティの支払いが求められます。
本部企業は、自社で開発した商材や経営手法を加盟店に提供し、その利用料としてロイヤリティの支払いを求めます。
加盟店は、それらの利用にロイヤリティを支払う仕組みです。そのため、加盟店は利益をそのまま収入と考えてはいけません。フランチャイズ契約で事業を続けるには、本部企業に支払う毎月のロイヤリティが負担となるでしょう。ロイヤリテイには、以下の3種類があります。

売上歩合方式:加盟店の売上に対して一定の割合で設定
定額方式:売上に関係なく毎月定額で設定
粗利分配方式:粗利に対しての割合で設定(売上金額によって変化)

 
加盟店は、本部企業に対してロイヤリティの支払いを前提に取り組む必要があるでしょう。ただし、加盟店はロイヤリティの支払いリスクと引き換えに、リターンとして得られるメリットもあります。

  • 商標・ノウハウの利用権利を獲得できる
  • 本部企業の知名度を活用できる
  • 本部企業のブランドを活用できる

一般的な個人経営では、自社ブランドの形成や知名度を得ることに時間も労力も掛かります。
フランチャイズの場合は、本部企業の持つ実証済みのノウハウや知名度、ブランドなどを開店当初から活用できます。そのため、加盟店は開店当初に戦略面で試行錯誤する必要がありません。これら戦略的なリターンに対しての利用料と考えることも可能です。

店舗運営は自由度が低いこと

フランチャイズ加盟店のデメリットは、個人経営と比べて自由度の低さではないでしょうか。前述した本部企業が提供する商標やノウハウなどは契約で設定されているルールに沿って利用しなければなりません。つまり、加盟店の店舗運営は自由度の低さが考えられます。

店舗運営の自由度が低い理由は、フランチャイズ展開において複数店舗で同じサービスの提供をしなければならないからです。そのため、本部企業は加盟店の運営手法を制限します。加盟店は、「自分の店舗の特徴を出す」という概念がありません。本部企業から提供されるマニュアルを厳守した運営を求められます。

  • 営業日
  • 営業時間
  • 取扱商品(仕入れ元)
  • サービス内容
  • 接客マナー

たとえば、コンビニエンスストアのフランチャイズの場合は、24時間365日の営業を顧客への約束としてブランディングしています。そのため、「客が来ないから」などと加盟店の裁量で営業時間を短縮してしまうと契約違反にもなりかねません。店舗運営に関しては、自由度が低いと判断しましょう。

自由度の低い運営では、加盟店の負担が軽減されるメリットも考えられます。フランチャイズビジネスは、自分で経営手法を考える必要がない分、未経験でも成果を出しやすいという特徴を持っています。

加盟店は、経営手法を考え検証するコストが掛かりません。最初から再現性の高い経営で取り組める点がメリットではないでしょうか。実証されたビジネス手法を活用できるため、最初からある程度の集客が見込めます。

本部とのトラブルが起きやすい

フランチャイズビジネスでデメリットと考えられる点は、本部企業と加盟店のトラブルです。フランチャイズは、契約によって成り立ちます。そのため、契約内容の理解がもっとも重要になるでしょう。加盟店は、本部企業の定める契約に沿った運営が求められます。

契約内容について十分に理解していないと、加盟店の独断的な行動がトラブルにつながるかもしれません。たとえば、加盟店の都合で営業時間を変更することです。加盟店の都合で勝手に営業時間を変更すると、本部より契約違反とみなされることもあります。

また、本部企業の契約内容に不備があれば、加盟店側から訴えられることもあるでしょう。とくに、フランチャイズ展開の浅いビジネスモデルでは、運営上の事例が多くありません。そのため、実際にトラブルとなることで契約内容が見直されることもあります。このように、フランチャイズは本部と加盟店のトラブルが起きやすいビジネスモデルと考えられます。

このようなトラブルを最小限に抑える場合は、十分な確認のうえで契約する必要があります。確認不十分なまま契約してしまうのではなく、同じ業界で起きているトラブル事例などを参考にすることも大事です。また、トラブルになりやすい内容が契約書で反映されていなければ、本部とのトラブルが解消されないでしょう。

フランチャイズビジネスは、契約内容の共通認識が重要です。それは、本部企業だけではなく加盟店側もトラブル回避のために、事前確認をしておきましょう。

フランチャイズで失敗しやすい事業者のタイプ


フランチャイズ形式のビジネスモデルで失敗しやすい事業者のタイプは次のとおりです。

  • 社会情勢を予測しないまま運営を続ける事業者
  • 本部企業の提示する契約内容を把握していない事業者
  • 店舗の課題を明確に理解できない事業者(現在の売上に対しての要因など)

時流を知ることは、本部企業のみならず加盟店にも求められます。フランチャイズでは、売れる業界の競争率はたちまち激しくなることも考えられるため、加盟店であっても日頃から競合他社を意識した店舗運営が求められます。フランチャイズの契約は、本部企業の意向を重要視しますが、雇われ店長のような立場ではありません。

加盟店は、本部企業の運営方針に従ったひとりの経営者であることも忘れないで取り組むことが大切です。本部企業は、加盟店のデメリットとなる部分を契約の段階で共通認識できるような契約書作成が求められるでしょう。

まとめ

今回は、フランチャイズビジネスの加盟店が抱えるリスクについて解説してきました。リスクをデメリットと捉えたままでは、多店舗展開はうまくいきません。加盟店との関係性を構築するには、今回紹介したリスクを理解したうえで、リターンとなる部分を訴求することが大事です。

フランチャイズの契約で規制する分、加盟店は本部の経営手法を活用できます。そのため、本部の方針に従って事業運営できる加盟店希望者を募集することが必要です。本部の経営方針に共感して、店舗管理を得意とする事業者であれば、フランチャイズ加盟店に向いています。