フランチャイズ展開の例を紹介!失敗しない加盟店参入のポイントとは
フランチャイズビジネスが成功できるビジネスモデルであることは、具体的な成功例から判断しなければ加盟店の参入を促せません。どういった取り組みでどんな成果が出たのか、あらゆる業種の実例を参考にすることが大事です。
今回は、既存の本部企業によるフランチャイズ展開の実例を紹介します。実例ごとに加盟店の参入で失敗しないポイントがあります。検討中の事業者は、ぜひお役立てください。
フランチャイズ展開の実例:ケンタッキー・フライド・チキン
それでは、フランチャイズ展開の実例としてケンタッキー・フライド・チキンを紹介します。日本KFCホールディングスは、国内店舗の73.7%(2021年3月の状況)がフランチャイズ展開で成り立っています。日本KFCホールディングスは、ケンタッキー・フライド・チキンで有名なKFCコーポレーションの国内フランチャイズ権保有企業です。
KFCのフランチャイズ展開では、本部企業であるKFC Asia Holdings LLCに対して店舗出店料や契約更新料、ロイヤリティ(売上からの手数料)などを売上比率6.0%で設定されています。
日本KFCは、本部となるアジアKFCに6.0%を支払うことでKFCブランドを使用できる関係性です。さらに、日本KFCの73.7%の加盟店は、日本KFCに6.0%のロイヤリティなどを支払う形式となっています。
失敗しないポイント
KFCのフランチャイズ展開では、売上高に対して一律6.0%の継続料金が設定されます。売上に対しての比率という点であることから、年間通して売上の差がある加盟店に向いている仕組みです。加盟店の継続性を考慮したシステムではないでしょうか。
フランチャイズ展開の実例:ドトールコーヒー
セルフサービスが特徴の手軽なサービスで展開するドトールコーヒーは、国内1,100店舗以上のフランチャイズ加盟店を持っています。同社のフランチャイズ店舗の割合は、70%以上です。ドトールコーヒーは、セルフサービス形式のフランチャイズの先駆者として1980年からの歴史となっています。
失敗しないポイント
ドトールコーヒーがフランチャイズ展開で失敗しないポイントは、カフェとしてのブランド力を活用できる点です。本部企業が提示する開業費で、見返りを期待できる点は、大きなポイントではないでしょうか。開業資金は、25坪の店舗で4,500万円ほどと高額なイメージがあります。その分、ブランドを利用できるメリットも大きいため、開業資金の回収に何円掛かるかで判断することも大切です。
ちなみに、ドトールコーヒーは、「安価でおいしいコーヒー」というブランドイメージができています。開業すればブランド力だけで一定の集客が見込めることが考えられます。
フランチャイズ展開の実例:ローソン
フランチャイズ展開の中では、ビジネスモデルとして注目されるのがコンビニエンスストアではないでしょうか。大手コンビニエンスストアは、消費者の生活必需品や食品などを扱う身近な小売業としてだけではなく、ブランド力でも加盟店の参入が期待できます。今回の例で紹介するコンビニエンスストアは、ローソンです。
ローソンは、未経験者がいきなり開業という点にハードルの高さを感じた場合、社員から始められる段階的な制度を設けています。コンビニエンスストア経営は、365日24時間営業という条件があるため実際の経営状況を体験することも大事です。
失敗しないポイント
ローソンでは、加盟する際に加盟金100万円(税抜)免除となる制度を用意しています。また、日々のお弁当や総菜などの発注で廃棄ロスを出さないための開業間際は「廃棄支援制度」なども活用できるでしょう。
さらにローソンでは、現場業務を簡素化するための「自動金銭付POSレジ」や「セミオート発注」などを活用しています。そのため、外国人やシニア層の人材でも働きやすい環境となっている点が人材確保の幅を広げる失敗しないためのポイントです。
フランチャイズ展開の実例:買取大吉
それでは、フランチャイズ展開の例として買取・リユース業のビジネスモデルを紹介しましょう。買取業の「買取大吉」は、継続率99.1%の実績(2022年11月時点)を持っています。加盟店のほとんどが継続していることは、開業時に失敗しないでそのまま経営を続けているのではないでしょうか。
失敗しないポイント
開業時に加盟店が失敗しない理由は、次のポイントによります。
- 加盟店の開業初期に本部SV(スーパーバイザー)が5日間の現場サポート
- 本部による出店地域の競合・人口分析から出店を判断する体制
- 加盟店による買取査定ではなくオンラインでの本部査定のため責任の負担がない
- 他店舗の成功事例を活用
- 最短即日の本部買取システムにより加盟店が在庫を抱えずに済む
- 提携支援会社の利用により融資通過率100%で資金調達できる
買取大吉では、これらのサポートを受けられるため、失敗しないで経営を続けられるという判断です。
フランチャイズ展開の実例:おそうじ本舗
未経験でも加盟店になれることを打ち出しているサービス業「おそうじ本舗」は、加盟店経営者自らがサービスに携わるビジネスモデルです。おそうじ本舗では、加盟する事業者の約99%が清掃業界未経験者となっています。2021年度の実績では、1,391件の加盟店の平均月商が110万円という結果です。
データ参照元URL:
https://www.fc-hikaku.net/osoujihonpo_fc/special
おそうじ本舗の特徴は、加盟店となった事業者がひとりで運営できる手軽さではないでしょうか。事務所店舗を用意する必要もなく、自宅を事務所代わりに開業できます。
失敗しないポイント
おそうじ本舗のフランチャイズ展開は、加盟店の属性を絞らす幅広い層から募集できる点が強みです。清掃サービス自体は、すべての消費者を対象に需要のあるビジネスモデル。少子高齢化が進み、夫婦共働きが増えてきた昨今では、住居の清掃まで手が回らなくなっていることも考えられます。
そのため、ハウスクリーニングの需要が拡大している中、ひとりで清掃案件を請け負う事業者の必要性が高くなっています。おそうじ本舗は、無店舗・無在庫というリスクの低い環境で始められる点が大きなメリットです。おそうじ本舗では、ハウスクリーニングの業務実績を積み重ねて清掃技術が身につけられます。
フランチャイズ展開の実例:ほっともっと
お弁当チェーンのフランチャイズ「ほっともっと」は、地域に根づいた安定経営を目指せるビジネスモデルです。加盟店が開業するのに必要な費用は、290万円となっています。全国でチェーン展開しているため、実績のある店舗の引き継ぎも可能です。
失敗しないポイント
ほっともっとの失敗しないポイントは、地元在住の人が開業できる点ではないでしょうか。そのため、加盟店を目指して都心部に店舗を構える必要がありません。加盟店は、自宅のある地元で出店して、成功ノウハウを再現できます。
逆に転居希望のある加盟店の場合は、転居支援制度で最大100万円の支援が受けられます。たとえば、地元で積み重ねた実績をより人口の多い地域で発揮するような取り組みも可能です。フランチャイズで多店舗展開することで、複数の店舗間を活用できるビジネスモデルではないでしょうか。
まとめ
この記事では、フランチャイズ展開で実績を出している本部企業の実例を紹介してきました。今回紹介した例は、大手ブランドから最近注目されているフランチャイズ事業までさまざまなビジネスモデルがあります。
本部企業を目指す事業者は、いかに加盟店を集めて店舗展開できるか、という失敗しないポイントを自社ビジネスで生かすことが大切です。大手ブランドの取り組みを参考に、小さなことから始めてみてはいかがでしょうか。