フランチャイズ展開とは?本部を目指す企業に必要な11のポイント

フランチャイズビジネスは、加盟店との契約により本部企業の意向で多店舗展開できます。複数店舗で展開して成功するには、本部企業の準備が必要です。では、どのような準備が必要なのでしょうか。

今回は、フランチャイズ展開をする本部企業の準備とは何か、について解説します。本部企業がフランチャイズで失敗しないために必要な11のポイントを紹介しましょう。ぜひ、参考にしてみてください。

フランチャイズ展開とは

フランチャイズ展開は、フランチャイズビジネスの本部となる企業と加盟する加盟店事業者が契約を結ぶビジネス活動です。フランチャイズ本部企業は、自社の持つ商標やブランドの使用権やサービス、商品を提供し、それらを本部企業との契約に沿って行います。

フランチャイズを展開するのに必要な11のポイント


小売業や飲食業などで活用されるフランチャイズビジネスでは、本部企業の準備が成功へのカギとなります。本部企業は、事業展開において複数の加盟店と契約を交わすため、システムの構築やマニュアルの作成などが必要です。では、フランチャイズを展開するうえで必要となる11のポイントを紹介します。

ポイント1:成功している本部企業(ビジネスモデル)を分析

フランチャイズビジネスは、「成功している企業がどのような特徴を持っているのか」を分析することが大切です。自社のビジネスと同じ業界で成功している企業を参考にすることが求められるでしょう。ポイントは、加盟店の成功です。加盟店が失敗してしまうビジネスモデルでは、再現性に乏しい仕組みと考えられます。そのため、成功しているビジネスモデルを追求する姿勢が必要です。

ポイント2:自社ブランドの商標登録申請

フランチャイズビジネスでチェーン展開を目指しているのであれば、早めに自社ブランドや商品、サービス名などの商標登録を申請する必要があります。商標登録は、先に登録した事業者が商標権を持ちます。もし、後から商標権を得ようとして重複した場合、ロゴやネーミングを使えなくなることも考えられるため、早めの申請が必要です。

ポイント3:自社ビジネスの業務マニュアルの作成

フランチャイズの重要なカギとなるのは、業務マニュアルの作成ではないでしょうか。業務マニュアルなくして、自社商品やサービスをあつかうビジネスモデルの構築は難しいでしょう。今後複数店舗を展開していくうえで口頭による情報の共有では、サービスの品質やブランドを安定させることが難しくなるでしょう。そのため、業務マニュアルの作成は、準備段階において重要な役割を持ちます。

ポイント4:準備したものをすべてパッケージ化

フランチャイズ展開では、本部企業が準備したものをすべてパッケージ化する必要があります。パッケージ化する内容は次のとおりです。

  • 商標登録支援
  • 加盟店向け店舗開店支援体制(立地調査・設計・施工など)
  • 業務マニュアル
  • 研修支援体制
  • 契約書
  • 情報共有システム
  • 物流システム

これらは、おもな部分になります。業種によっては、が加盟店と契約する前に準備しなければならないものが異なります。フランチャイズは、パッケージ化したものをすべて契約書などで明記しておきましょう。

ポイント5:加盟店の開拓戦略を立案

フランチャイズ展開では、本部による加盟店の開拓戦略を立てる必要があります。本部企業は、フランチャイズ加盟店がいなければ事業展開できないビジネスモデルです。そのため、新規加盟店の募集は欠かせません。加盟店の開拓戦略では、募集媒体の選定や加盟店候補事業者への説明形式を最適化しましょう。

スマホから個人の情報入手が手軽になっている現代では、インターネットの活用も考えられます。インターネット上の募集媒体では、フランチャイズ専門の募集サイト活用も効果的です。

ポイント6:加盟店との契約書を作成

フランチャイズ展開でもっとも重要となるのが加盟店との契約です。本来ならば、本部企業の構築したビジネスを数年単位で経験し、実績を積み重ねることでようやくのれん分けする形式でした。フランチャイズ展開は、そのような経験を積み重ねる時間の短縮が求められます。

契約書は、本部企業の目指すビジネスを規約で定めるため、内容的に重たくなることが考えられるでしょう。そのような理由からも、契約書の作成では弁護士の見解も必要となります。契約書が不十分であると、契約上のトラブル発生にもつながるので専門家の見解を活用しましょう。

ポイント7:加盟店募集を実施

契約書の準備ができれば、加盟店の募集を開始します。加盟店の応募者は、応募後から互いに納得の上で契約へと進みます。本部企業としての経験が浅ければ、実際に加盟店の運営で不備が出てくるかもしれません。そのため、初期段階では加盟店による運営を参考に修正していく必要があります。

ポイント8:多店舗展開するための必要事項

フランチャイズビジネスで多店舗展開するには、契約や開業パッケージ以外にも必要事項があります。多店舗展開では、その都度加盟店をサポートできる支援体制の確立です。どんなに業界経験の長い加盟店候補でも、本部企業との認識のずれが生まれます。

飲食業でも、中華料理経験者だからラーメン店を丸投げで任せられるわけではありません。逆に、経験者だからこそ勝手な判断で運営させない規制が必要です。多店舗展開では、いかに加盟店との足並みをそろえるかがポイントとなります。サポート体制の構築では、スーパーバイザー制度の導入もひとつの手です。指導体制を強化して、再現性の高いビジネスモデルを構築しましょう。

ポイント9:加盟店成功モデルを確立

フランチャイズ展開では、加盟店の成功モデルを確立することも大切です。多店舗展開で複数の加盟店を集めるには、本部企業の定める運営で一定の報酬を得られている成功モデルの存在が大きな役割を持ちます。成功モデルの役割は、「本部が示す店舗運営でどれだけの年収を得られたか」を具体的な成果であらわすことです。

たとえば、飲食店未経験の50代男性が開業1年目で年収800万円を達成など、あげられます。あくまで例ですが、具体的な成果を指標にできると検討中の人を後押しできます。成功モデルは、実際に取り組んだ加盟店である必要があります。成功モデルの確立には、本部企業の支援がどの程度必要となるのか、も明確にできるでしょう。

ポイント10:自社ノウハウのスタンダード化

本部企業は、自社ノウハウをスタンダード化する必要があります。スタンダード化を目指す行為は、業務マニュアルの作成にも役立ちます。最初の段階で、店舗運営に必要な取り組みをスタンダード化することで、後続する加盟店の参入がスムーズになるでしょう。

ポイント11:情報共有の仕組みを確立

フランチャイズ本部と加盟店の間では、情報共有の仕組みを確立させる必要があります。フランチャイズビジネスでは、加盟店によって情報の理解度が異なるとサービスや成果にも差が生まれます。加盟店が本来知らなければならない情報は、すべての加盟店で共有しなければなりません。そのため、本部企業は情報共有の仕組みを確立させることが求められます。

まとめ


今回は、最低限のフランチャイズ展開の知識を得る必要事項を紹介してきました。

フランチャイズ展開は、加盟店の成功モデルをいかに生み出せるかです。紹介した必要事項から、本部企業と加盟店の関係性を確立させましょう。