自分にあった代理店を比較して探そう
「代理店を始めようと考えているけれど、自分に合った代理店を選ぶには、どうしたらいいのか?」
企業の存続が不安定な昨今、副業で代理店の開業を模索している会社員は、少なくありません。時代の波に乗って代理店の募集は、増えています。その理由は、メーカー企業の営業活動コストを軽減できるためです。
メーカー側も代理店側も恩恵のある代理店ビジネスは、今後も成長していくことでしょう。この記事では、数多くの代理店ビジネスの中から、自分に合った代理店を比較する際の選定基準について解説します。代理店探しをしている開業予定者の参考にお役立てください。
自分に合った代理店探しには、比較基準が大事
代理店ビジネスを始めるにあたって、自分に合った代理店を見つけることは最も重要な判断です。とくに本業の片手間で代理店ビジネスに取り組むならば、自分の取り組みやすさを基準とすることが大切になります。
その理由は、自分のプライベート時間をけずって、将来に向けたビジネスの布石をつくる活動となるからです。自分に合った代理店探しでは、代理店を比較する際の選定基準が必要となります。
代理店の比較に必要な選定基準
代理店を比較する際の選定基準は、次の5つです。5つの選定基準を比較する代理店の内容にあてはめて判断することが必要になります。
- 販売代理店か取次店か
- 商品と契約について理解できているか
- 契約は、特約、正規など付加価値がつくか
- 開業資金や固定費、手数料について理解しているか
- 契約期間の終了や更新について理解しているか
選定基準その1:販売代理店か取次店か
比較している代理店の形態が「販売代理店」となるのか、「取次店」か、「OEM販売店」か判断することが大事です。それぞれ自分の状況によって、選ぶ形態が変わります。
- 販売代理店:メーカーの商材を自分で販売して、顧客のアフターフォローも対応する
- 取次店:メーカーの商材を顧客に紹介して、購買意思のある顧客をメーカーに送客する
- OEM販売店:メーカーの商材を自分の商品としてブランド化し、独自の販売となる
代理店の形態では、自分の目的を選定基準に反映させることが大切です。選定基準を次のように設定することもできます。
- 販売代理店:本業でのスキル活かして、メーカーの商品を販売し実績を作りたい人向け
- 取次店:低リスクとなる「紹介」から実績と経験をつみ上げたい人向け
- OEM販売店:自分の販売ノウハウをもち、需要のある商品を販売して実績を作りたい人向け
数ある代理店を比較する際、自分のビジネスにおける位置を認識することも大事です。具体的には、「取次店→販売代理店→OEM販売店」という流れになるでしょう。経験がない場合は、在庫リスクのない「紹介代理店」が低リスクとなります。
選定基準その2:「商品内容」と「契約内容」について理解できるか
代理店を比較している際は、代理店を募集する企業の誇大なキャッチコピーに意識がとられがちです。たとえば「開業資金・加盟金・研修費0円」「2件獲得で月収100万円以上多数」など、魅力的なコピーがあげられます。
本来、冷静に判断するべきは、代理店の「具体的な商品内容・説明」や「具体的な契約内容」を把握することです。代理店を募集する本部は、代理店開業希望者を使ってコストのかからない販路拡大を目的としています。そのため魅力的な募集コピーだとしても、「本部企業が儲からない仕組みになっていない」ことを念頭に入れて選ぶことが大事です。
選定基準その3:契約は、特約、正規など付加価値がつくか
代理店を比較している際に、契約内容において「成績次第で特約契約あり」などの表記が記載されている場合があります。代理店契約に対して、メーカー側が特別な待遇のある募集です。あつかう商材が認知度のあるブランド商品の場合、メーカー特約やメーカー正規などを店舗名に付けくわえることで独占的な販売が期待できます。
メーカーより特約店や正規販売店の称号をあたえられると、契約内容も見直されるでしょう。代理店の売上に対する手数料も高く設定されたり、新商品などの独占的な販売権も獲得できたりします。ただし正規店や特約店の場合は、メーカーの商品を独占的に特別な待遇で販売できる反面、ビジネスを制約される可能性もあるでしょう。
たとえば代理店がメーカーの商品の類似品やおなじジャンルの商品を取り扱えなかったり、在庫ノルマや販売数のノルマだったり制約が設けられる可能性があります。そのような制約がある中でも独占的に販売したい商材がある場合は、正規店や特約店ビジネスがオススメです。
選定基準その4:開業資金や固定費、手数料について理解しているか
代理店を比較する際の選定基準では、募集する代理店ビジネスの費用と報酬について、事前に理解しておくことが重要となります。代理店ビジネスを探すにあたって、理解しておきたい費用は、次の通りです。
- 開業資金は必要か、必要であればどれくらい投資するのか
- 独立するまでに研修制度があるか、あるとすれば費用がどのくらいかかるか
- 商品を仕入れは先渡し制か、仕入れロット単位が多いかどうか
- ビジネスを運営しながら、受け取る手数料から差し引かれる固定費などがあるのか
代理店ビジネスの募集では、検討中のユーザーにとって都合のよい内容ばかりで訴求していることも少なくありません。メーカーとの契約後に、「こんなはずではなかった」「これでは利益が生みだせない」とならないため、事前に発生する費用を理解しておきましょう。
よきビジネスパートナーを求めているメーカーであれば、発生する費用をすべて明らかにしています。また手数料についても事前にチェックしておくことが大事です。
- 1つの商品売上に対しての手数料率を明示してあるかどうか
- 手数料が差し引かれた状態で商品を仕入れる仕組みなのかどうか
- 明示してある手数料を受け取れない場合の規約があるのかどうか
- 手数料はどのような手順で、いつもらえるのかどうか
ここにあげた手数料に対しての選定基準は、募集要項に記載されていない企業も多くなります。そのため代理店を比較した際に、いくつかの業者にしぼった時点で、業者に資料請求やメール、または電話により問い合わせることが大事です。
手数料について、あいまいな返答となる業者の場合は、後日ももめる可能性もあります。数社の代理店を比較検討中の場合は、手数料について判断することが大事です。
選定基準その5:契約期間の終了や更新について理解しているか
代理店ビジネスをはじめるにあたって、「メーカーとの契約期間が設けられているかどうか」も選定の基準となります。いざ代理店ビジネスをはじめてみて、ようやく売上も安定した途端、契約期間終了となれば、次の代理店を募集するメーカーを探すか、自分で独立するか新たな行動は必要となるでしょう。
また自分の都合による「契約途中での終了ができるかどうか」も事前に調べておくことが大事です。自分に合った代理店ビジネスがあるかどうか試す目的であれば、「契約期間の開示」は大切になります。業者によっては、1年ごとの更新となる場合もあり、業績によって契約終了となることも考えられるでしょう。そのような理由からも、比較検討中の代理店選びでは、契約期間の設定内容も判断基準となります。
まとめ
今回は、代理店を比較検討中の開業予備軍の対象者に向けた、代理店選びの選定基準について解説してきました。この記事で紹介した5つの基準をすべて満たしていることが必須ではありません。必要なのは、「業者の条件と自分の条件をどれだけすり合わせて判断できるか?」になります。
この記事を参考にして、業者が明示していない部分には、直接問い合わせて相談してみることも必要です。また実際に代理店としてビジネスをはじめてみないと見えない部分も多いでしょう。低リスクの代理店からはじめてみることも1つの選択肢となります。