会社にバレない副業って可能?兼業の背景と理由を解説


東京商工リサーチの調査によると、2023年度の賃上げ実施を予定している中小企業は、81.6%という結果です。賃上げ幅は、ほとんどが5%未満という状況で全体の4.2%となっています。
データ引用元:東京商工リサーチ

月給40万円の会社員が5%の賃上げとなった場合、月に2万円の増加です。賃上げが見込めない企業に比べれば上がるだけ待遇は良いかもしれません。ただし、5%の収入だけでは物価の高騰や将来のライフプラン形成の不安は解消できるのでしょうか。

2018年から社会に浸透してきた働き改革関連法案は、企業の労働環境の変化を後押ししています。最近では、多様な働き方を認める企業も増え、副業の容認も求職者への訴求に活用している状況です。ただし、中には、副業を禁止する企業も存在します。

今回は、会社にバレない副業について、バレない方法や具体的な副業などを紹介します。現在、副業禁止の会社に所属している人は、参考にしてみてください。

なぜ会社員の副業が増えているのか


会社員の副業が増えている理由は、前述した2018年に施行された働き方改革関連法案が発端になっています。多様な働き方を推奨する風潮も後押しとなり、副業を解禁する企業が増えてきました。

副業を認めている企業と現状

日本経済団体連合会が2022年10月に実施した「副業・兼業に関するアンケート調査」では、以下の調査結果となっています。

従業員5,000名以上の企業:副業を認めている企業は全体の66.7%
従業員1,000名~5,000名規模の企業:副業を認めている企業は全体の52.3%
従業員300名~1,000名規模の企業:副業を認めている企業は全体の44.4%
従業員100名~300名規模の企業:副業を認めている企業は全体の38.5%
従業員100名未満の企業:副業を認めている企業は全体の31.6%

出典:「図表1 社外への創出:認めているか否か 常用労働者数別」

上記データにより、従業員数の多い企業ほど副業や兼業を認める割合が多いことが判断できます。同データの補足では、従業員数100人未満の企業のうち47.5%の企業が検討していないとのことです。従業員数の少ない企業の場合は、社員の副業に対して前向きでないことがうかがえます。

中途採用への訴求ポイントとして活用

会社員の副業や兼業は、単純に収入を増やすだけの目的ではなく、自己スキルや得意分野のブラッシュアップなども兼ねていることも考えられます。たとえば、本業で営業に取り組む社員が週末だけ個人事業主やフリーランスとして本業とは異なる分野のビジネスに取り組むことです。

そのような傾向の中、求人サイトやマッチングサイトを利用する求職者にとって副業の可否は重要な判断材料にもなります。「副業禁止の企業には応募したくない」という求職者も存在するため、採用する企業側からも、副業を認める傾向になるでしょう。傾向としては、会社員の副業が当たり前になっている状況です。

副業禁止の企業が解禁しない理由

副業を認めない企業には、相応の理由があります。基本的に公務員の副業は禁止されています。しかし、2019年3月に内閣官房内閣人事局で公開された「国家公務員の兼業について(概要)」では、国家公務員法第104条でにおいて、により兼業できるとのことです。
引用元URL:https://www.cas.go.jp/jp/gaiyou/jimu/jinjikyoku/files/kengyou_gaiyou.pdf

ただし、あくまでも本業に差し支えのない副業でなければ許可されません。副業を禁止している企業は、従業員に対して「本業に集中してもらいたい」という要望を持っていると考えられます。ただし、その裏には、社員の長時間労働などが危惧されるでしょう。また、内部事情の漏えいを厳守している企業の場合は、社員の副業を禁止している傾向です。とくに公務員や医療従事者、金融関係従事者などは社外秘となる情報を取りあつかっているため、副業内容によっては許可されない場合があります。

会社にバレないで副業する方法


会社員の中には、「会社にバレないで副業できないものか」と考える人もいることでしょう。会社にバレないで副業する場合は、以下の点を注意することが必要です。

住民税の支払い方法を変更する

会社員の場合は、勤務先の経理担当者に住民税の増加から副業を疑われることが考えられます。副業で収入が増えた場合、会社の給料から天引きされる住民税が増加するため、経理担当に知られてしまいます。会社の経理担当者は、住民税が高くなったことを給料以外の収入と判断するかもしれません。

対策としては、住民税の支払い方法を変更することです。住民税の支払いを自分で行う「普通徴収」に変更すれば、会社の給与から支払うのではなく、自分で納付することになります。そのため、会社の経理担当者に疑われることはないでしょう。

周囲関係者と接点のない仕事を選択する

副業は、仕事内容にもよりますが、周囲との接点のない仕事を選択する必要があります。会社の同僚と接点のある仕事を選べば、何らかの拍子にバレてしまうことも考えられるでしょう。また、副業について他愛(たあい)もない会話の中でしゃべってしまわないように注意しましょう。できれば、周囲との接点のない仕事を選択する必要があります。

副業禁止の会社で副業が判明したときの考えられる処分

もし、副業禁止の会社に勤めていて副業がばれてしまった場合は、副業した理由の説明を追求されることが考えられます。副業禁止の会社規則を守らなかった場合、ペナルティや何らかの処分があるかもしれません。守秘義務の厳しい企業の場合は、厳格な処分を受ける可能性もあります。場合によっては、外部に会社の情報が漏えいするなど、会社に損害をもたらした場合は解雇だけではなく起訴されることも考えられます。

それでも副業したい場合の対処法


勤め先の会社が副業禁止だとしても、副業をしたい場合について解説しましょう。

クラウドソーシングで部分的な業務の請負を行う

バレない副業には、クラウドソーシングで部分的な業務の請負を行うのもひとつの方法です。クラウドソーシングの場合は、完全在宅の案件も豊富で仕事の依頼先に出向かなくて済みます。たとえば、自分の得意とする業務のみを受注して取り組めれば、嫌な仕事でストレスになることもありません。

副業可能な会社へ転職する

会社に内緒で副業をすることに不安を抱くよりも、副業可能な会社へ転職することで堂々と副業をできるようになります。副業に対して、独立のイメージを抱いている人は、副業可能な会社に転職したうえで個人事業主として開業することも可能です。

独立を目指すのであれば、副業可能な本業で勤務しながら、副業でもできるフランチャイズビジネスなどで自分のスキルを磨くこともできます。将来的に独立も視野に入れている場合は、本業を続けながら独立可能な案件を見つけましょう。

まとめ

今回は、会社にバレない副業の方法を紹介してきました。単純に、意識しないで堂々と副業をしていれば、何かの拍子に見つかってしまうかもしれません。重要なことは、現在勤めている会社でどのようなビジョンを描いているかではないでしょうか。

本業を続けることで資格や技能を習得できたり、安定して昇給が見込めたりするのであれば、その企業に在籍する意義も考えられるでしょう。会社員の副業は、一般化しつつあるため、副業可能な会社への転職も手っ取り早い選択肢です。一度、本業に対してのビジョンと、副業のビジョンなどを冷静に判断してみることをおすすめします。