一次代理店と二次代理店とは?仕組みやメーカーとの関係性などを解説
「一次代理店と二次代理店、どちらも代理店として立場は同じなのだろうか?」
代理店の種類には、一次代理店や二次代理店などがあります。この一次代理店うや二次代理店とは、いったいどのような違いがあるのでしょうか?
今回は、代理店の種類となる一次代理店と二次代理店の違いについて解説します。代理店ビジネスを始めようとしている起業予備軍の方は、ぜひ参考にしてみてください。
一次代理店と二次代理店の仕組み
まず、一次代理店と二次代理店の仕組みについて、代理店を基準に解説します。
代理店の概念
代理店は、ある商材の製造元となるメーカーに代わって販売を担当する業者のことです。一般的には、販売代理店のことを広義に「代理店」と呼びます。メーカーと代理店は、代理店契約や委託契約などを交わす関係です。
一次代理店と二次代理店の構造
代理店の仕組みは、次のように上層から下層に向けて広がる構造の特徴があります。
一次代理店:メーカーと直接代理店契約を結ぶ関係(10社)
二次代理店:一次代理店1社が管理サポートするパートナー企業(10社)
三次代理店:二次代理店1社が管理サポートするパートナー企業(10社)
このように、メーカーから三次代理店までピラミッド形で裾野が広がっていく構造となります。ちなみに、「ある商材」を販売する一次代理店から三次代理店まで10倍で増えていくと、1,000社の三次代理店と100社の二次代理店が「ある商材」の販売に携わることになるでしょう。
メーカーの定義
一次代理店と二次代理店による構造の頂点に立つメーカーとは、どのような特徴があるのでしょうか?メーカーの定義は、商材となる製品やサービスを開発して、代理店に提供する立場の企業のことです。
メーカーは、商材の製造元であり、サービス元となります。ビジネスの中心に位置する重要なポジションにいる企業です。代理店との関係性は、一次代理店を直接管理サポートして構造の基準となります。
一次代理店とは
一次代理店は、製品開発には携わらないが、販売において重要なポストにいる立場です。もっともメーカーの影響を受けやすく、強い権限を持っています。また、一次代理店はパートナー企業となる二次代理店の販売網を管理する立場です。一次代理店は、代理店の直販よりも二次代理店の管理に比重が掛かる立場となります。
二次代理店との関係性
一次代理店と二次代理店の関係性を解説しましょう。一次代理店は、二次代理店を管理することが役割の中心となります。ただし、一次代理店は二次代理店に対して、主従関係のような立場で管理しません。二次代理店をパートナーとしてサポートするイメージです。
二次代理店は、一次代理店の管理サポートを受けることで、営業に力を注げます。結果として、さらなる売上の追求が可能になるでしょう。どちらかというと、二次代理店にとって一次代理店は、管理本部のような役割となります。
メーカーとの関係性
一次代理店は、メーカーと非常に近い関係となります。そのため、一次代理店はメーカーの子会社のような位置とも考えられるでしょう。
メーカーが負担するコスト
一次代理店に対してメーカーが負担するコストは、販売手数料です。再販代理店の一次代理店の場合は、メーカーが提供する商材(製品やサービスなど)に対して、卸値(仕入れ価格)と利益上乗せ分により設定した価格で販売します。たとえば、次のようなイメージです。
A商品(卸値700円)+営業利益(手数料300円)=販売価格1,000円
メーカーが提供する商材によっては、仕入れが必要となる場合も考えられます。仕入れがない場合は、売買契約が成立した時点で、営業利益となる手数料を差し引いた金額をメーカーに納める場合もあるでしょう。コストについては、メーカーや商材、代理店契約内容により異なります。
収入
一次代理店の収入は、メーカーが提供する商材に上乗せした営業利益となる手数料です。ただし、仕組みとして二次代理店を使う場合は、二次代理店からの手数料が収入となります。二次代理店を管理する立場として、直販しない仕組みができれば、権利型収入として二次代理店からの手数料で多額の収益が見込めるでしょう。
二次代理店とは
続きまして、二次代理店について解説しましょう。二次代理店は、一次代理店に管理面をゆだねて営業で売上を伸ばす役割となります。
二次代理店は、在庫を持たずに販売を担当するため、小資本で始められる点がメリットです。その特徴を活かして、一次代理店の管理下で営業力を発揮してもらう重要な役目を担当します。
二次代理店は、売上さえ上げ続ければ、経営を黒字化できる点が特徴です。営業活動において、掛かるコストも低く、移動交通費や人件費以外は、利益にできる点もメリットとなります。
メーカーとの関係性
二次代理店は、メーカーと直接コミュニケーションが不要で、関係を持たない点が特徴です。コミュニケーションをはかるのは、一次代理店になります。一次代理店からメーカー商材についてのサポートを受けながら、営業活動に集中できます。
収入
二次代理店の収入は、販売したメーカー商材に対して掛かる手数料です。販売価格から自分の手数料を差し引いた金額には、メーカーの卸値や一次代理店の手数料報酬も含まれています。商材によっては、手数料が低い場合も考えられるため、販売成約数を増やす必要も出てきます。その分、商材に対しての管理や顧客サポートなどを本部に委ねられる点がメリットです。
一次代理店が勝手にできない行為について
ここまで、一次代理店と二次代理店の関係性や違いについて、解説してきました。二次代理店に対して、一次代理店が管理する立場となります。また、メーカーとの関係性が大きい一次代理店は、契約次第で上乗せ営業利益を高くすることも可能です。
そのような権限のある一次代理店においても、勝手にやるべきではない行為があります。それは、メーカーが許可していないうちから勝手に二次代理店契約して販路を拡大することです。
一次代理店は、メーカーあっての代理店となります。メーカーから提供される商材がなければ、代理店として成り立ちません。企業によれば、二次代理店の審査をメーカー本部が担当することも考えられます。そのため、メーカー企業が一次代理店だけではなく、二次代理店から三次代理店までの展開を考えているか事前に確認しておきましょう。良かれと先走ってしまえば、一次代理店として信用を失うことになります。
まとめ
今回の記事では、代理店制度の仕組みとして、一次代理店と二次代理店の違いや関係性について解説してきました。代理店には、一次代理店と二次代理店があり、それぞれが違う役割をもって協力し合える仕組みになります。
メーカーにとっては、直接コミュニケーションをはかるのが一次代理店です。一次代理店は、二次代理店とコミュニケーションをはかる構造となります。このようにメーカーやそれぞれの代理店が自分の役割を明確にできているため、持ち場に集中できるメリットが考えられるでしょう。関係性を理解したうえで、まずは二次代理店で実績を作ってみてはいかがでしょうか。