代理店契約をする際に気を付けるべき7つをまとめました。
メーカーと顧客の間に入って、メーカーの商品を代理して販売促進活動する代理店の契約では、契約書を交わす際に注意しておくべきことがあります。それは、代理店に商材を供給するメーカーが、「なぜ、代理店に販売を委託するのか?」意向をふまえることです。
メーカー側は、自社リソースを使った販促活動ができない事情から、外部リソースを必要とします。その事情をふまえた上で、メーカーと代理店が交わす契約の注意点を知ることは必須です。
今回の記事では、代理店契約する際に気をつけるべきポイント7つの紹介となります。代理店募集する企業が提示する契約書を確認する際に役立ててください。
契約書を交わすときの注意点その1:権限範囲
代理店契約において、代理店の権限や責任範囲の規定は、事前に把握しておくことが重要となります。
- 代理店が供給された商材を販売する目的で顧客に対して、どこまで権限があるのか
- 代理店が供給された商材を販売するにあたって、顧客や供給側に、どこまで責任があるのか
代理店の権限とは、顧客と売買契約するまでの権限であるか?メーカーに顧客を紹介する仲介までが権限になるか?になります。
責任の範囲では、代理店が顧客との売買契約の当事者とならないことが多くなるでしょう。当事者はあくまでも、供給側となります。ただし供給側の認識や交わす規定により、責任の度合いがちがう場合もあるでしょう。そのため、代理店と供給業者の責任範囲は、明確にする必要があります。
たとえば、顧客との売買契約に対して、権限範囲がおよぶ場合、損害賠償や過失などへの責任範囲です。代理店の権限や責任範囲については、契約前にくわしく把握しておくことが重要になります。
契約書を交わすときの注意点その2:独占権
代理店が契約書を交わすときの注意点は、独占権があるかどうか?です。メーカーより販売を代理する商材を自社だけが独占して、販売することができるか?独占できる場合の営業活動の範囲(地域)はどこまでとなるか?など、代理店の営業活動に大きく関係してきます。
独占権は、メーカーの商材を自社のみで取り扱えるため、市場での差別化が可能です。そのためメーカー側からすれば、高い営業力や実績をもった代理店に対して、独占販売を許可する傾向となります。独占権をもっている代理店の称号として、正規代理店や総代理店などがあげられるでしょう。
契約書を交わすときの注意点その3:ブランドの使用権限
代理店がメーカーと契約書を交わす際に、「メーカーのブランドをどこまで使用してよいのか?」事前に確認しておく必要があります。メーカーのブランドとは、商標やロゴ、イメージキャラクターなどの使用権限です。
たとえば、メーカーにより「商材の販売はOKだが、商標名を使った広告出稿はNG」という場合もあります。また、メーカーのイメージキャラクターやロゴなど著作物として流出を防ぐため、Web上や配布パンフレット以への掲載を不可とする企業もあるでしょう。
ブランドの使用権限に関して、契約書に記載されていなくても、事前に確認しておくことにより、メーカーとの関係性を良好に保つことにつながります。
契約書を交わすときの注意点その4:報酬
代理店がメーカーと契約書を交わす際に、もっとも明確にしておくべき「報酬」について、解説しましょう。代理店は、商材供給側のメーカーより、販売手数料を受け取ることになります。報酬が発生する条件など、事前に共通認識としておくことが大事です。代理店の販売手数料の発生基準は、メーカーごとにちがいます。
- 「売上に対してなのか?」
- 「単価に対してなのか?」
- 「複数個売り上げることにより、パーセンテージに変化が出るのか?」
販売手数料が発生するタイミングを明確にすり合わせて、共通理解が必要になるでしょう。おもな報酬発生段階としてあげられるのは、次の3つです。
- 顧客を紹介した段階
- 顧客とメーカーが商談となった段階
- 顧客とメーカーの間で売買契約が成立した段階
また、供給側の企業や商材によっては、仲介した顧客が再購入など、アップセルクロスセルの行動を起こした場合に手数料報酬となることもあります。たとえば、ストック型の商材の場合です。
ストック型の商材では、サブスクリプション形式で契約により、毎月発生する顧客の定額利用料に対してのパーセンテージにより報酬が計算される仕組みとなります。具体的には、インターネットの光回線の契約を代理した場合、毎月の利用料に対して数パーセントが定期的に報酬となる仕組みです。
ストック型の場合は、月額課金で契約する顧客を多く獲得することにより、毎月安定した報酬を得られます。
契約書を交わすときの注意点その5:契約期間や更新
代理店の契約をメーカーと交わす際には、契約期間や更新の必要性について、事前に調べておくことが必要です。具体的には、契約の有効期限や契約期間終了後に同業他社との契約に対して、制限があるかないか?などがあげられます。
また、代理店の契約終了時に行う対応処理なども、事前に確認しておくことが大事です。商材の販売に必要な営業ツール(パンフレットなど)の取扱いについて、返却になるのか、廃棄するのか?など、把握しておく必要があります。
契約書を交わすときの注意点その6:コスト負担の範囲
商材の供給側であるメーカーと代理店契約を交わす際に、営業活動に必要な「販促費の負担」について、理解しておくことが大切です。どのような商材でも、営業活動にはコストがかかります。ほとんどが販促費にかかるコストは、代理店の負担とするメーカーが多いです。おもに次のようなコストは、代理店負担となることが多くなります。
- 営業活動する場所(事務所や自宅など)の光熱費
- インターネット回線利用料
- パソコンやスマホなどデバイス機器
- スキャナーやプリンターなど印刷機器
- 表計算・文章作成ソフト
- 事務処理に必要な消耗品類
メーカーの商材や供給側企業により、販促費の負担範囲は、さまざまです。商材によっては、営業活動に必要な機器から消耗品すべてにおいて、メーカーが負担することもあります。または、メーカーより貸し出しという形式で、月の売上によりレンタル料金を無料とする形式を採用している場合もあるでしょう。そのため、事前の確認は必須です。
契約書を交わすときの注意点その7:メーカーの商材の法的な問題点
契約書を交わす前に必ず見きわめる必要のある注意点として、メーカーの商材が法的に問題ないかどうか確認することは必須となります。供給側が違法な商品を扱っていたり、不当な商法など、法律違反に抵触していることがないかどうか?代理店として、販促活動にたずさわった場合、「知らなかった」では通らなくなるでしょう。
とくにWeb上での取引となると、中には実態のつかめない業者も存在します。そのため代理店を募集している企業の商材について、法的な問題点がないか?調べてから取り組みかどうかを判断することが大事です。
まとめ
今回は、代理店ビジネスの契約に関して、事前に把握しておく必要のある注意点を紹介してきました。代理店契約における7つの注意点を事前に理解しておくことにより、失敗しない商材選びに役立つことでしょう。
ぜひ、参考にしてみてください。