起業前に知っておきたい!副業の税金|代理店の確定申告について解説


「副業で得た収入の税金は、確定申告が必要なのでしょうか?」

近年では、高齢化社会が進む中、サラリーマンの定年退職が人生の通過点で過ぎなくなっている状況です。人生100年時代といわれる現代において、生涯現役を考えている人も少なくないでしょう。

サラリーマンが副業を始めることは、さまざまな要因が考えられます。

  • 本業の給料を補うための手段として始めるケース
  • 収入を増やして将来に備えておくケース
  • 会社に依存しないで複数の収入源を持っておくケース
  • 興味関心のある好きな仕事で収入を得るケース
  • 将来に向けてあらゆる分野で実績や経験を積んでおくケース
  • サラリーマンの副業は、いろいろな要因が考えられるため、目標とする金額も幅があります。たとえば、「本業の月給以上に稼ぎたい」と考える人もいれば、「カットされた残業分だけ月に2万円前後稼ぎたい」という人もいるでしょう。

    中でも副業で代理店を考えている人は、副業収入に掛かる税金も気になるところです。この記事では、起業する前に知っておくべき、副業を始めたときの税金について解説します。代理店として副業を始めた場合、確定申告をどのように取り組むべきか?開業や法人化などのタイミングも説明しましょう。

    副業の課題「税金」

    副業の課題は、税金です。なぜ、税金を問題視するかというと、月に1万円~5万円ほどの副業をしている場合は、会社に副業をしていることを報告していない場合も考えられます。まして、副業禁止の企業に勤めている身であれば、就業規定違反になるため深刻な問題です。

    会社に隠れて副業している場合や、収入条件によって会社から特別待遇を受けている場合は、税金から副業をしていることが発覚することも考えられます。

    確定申告と副業収入の関係


    それでは、確定申告と副業収入の関係について解説します。サラリーマンが給与所得以外で得た収入は、年間所得額が20万円以下であれば確定申告が不要です。給与所得の収入合計金額から所得控除合計金額を差し引いた残りの額が150万円以下であり、その他の事業所得や雑所得、配当所得などの合計所得金額が20万円以下であることが確定申告の要らない条件となるでしょう。

    データ参照元URL:https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/tebiki/2019/b/01/1_06.htm#:~:text=%E2%80%BB%20%E7%B5%A6%E4%B8%8E%E6%89%80%E5%BE%97%E3%81%AE%E5%8F%8E%E5%85%A5,%E3%81%AF%E3%80%81%E7%94%B3%E5%91%8A%E3%81%AF%E4%B8%8D%E8%A6%81%E3%81%A7%E3%81%99%E3%80%82

    収入と所得は違う

    ここでポイントになるのが、収入と所得を一緒にして考えないことです。副業で得た収入に対して、経費を差し引いた金額が所得にあたります。前述した年間20万円以下であれば申告の義務がないのは、所得に対してです。

    たとえば、年間副業収入が40万円あったとしても、経費で25万円掛かり、差し引き所得が15万円であれば確定申告の必要がありません。代理店ビジネスを例にあげれば、業務にあたって使用するパソコンや携帯電話、インターネット回線なども事業経費として計上できます。

    事業所得は、あくまでも事業収入から経費を差し引いた利益部分です。そもそも利益部分が年間20万円以上ある場合は、副業の確定申告が必要になるでしょう。

    副業の税金から会社に副業していることを疑われる状況

    会社に申告しないで副業していた場合は、税金の処理から会社に副業を疑われる可能性もあります。副業をしているサラリーマンは、確定申告書類の記入により確定申告後の住民税が増えることが考えられるでしょう。

    一般的には、会社の給与から住民税が天引きされます。会社の経理担当者は、個々の社員の住民税や社会保険料などを把握していることから、急に住民税が増えることで所得の増加を疑われるためです。

    給与以外に所得から住民税も増えたことで、対応は会社次第になります。対処法としては、確定申告書類を作成する時点で、住民税に関わる項目の「自分で納付」を有効にすれば、上乗せされる住民税を会社に知られることはありません。

    個人事業主として開業するタイミング


    副業を始めて個人事業主として開業するタイミングは、給与所得が年間150万円以上あって、給与以外の事業所得が年間20万円以上となる場合です。

    たとえば、代理店ビジネスを始めて、年間所得が100万円以上発生した場合は、個人事業主となって青色申告をすることで最大65万円の控除を受けられます。また、所得に対しての基礎控除が年間48万円になるので、青色申告とあわせて113万円までの所得であれば、税金を支払う必要がありません。

    個人事業主として開業するタイミングは、人それぞれですが、税金を目安に判断するのであれば、年間の事業所得合計金額100万円を基準にしてみることもひとつの方法です。
    データ参照元URL:https://www.freee.co.jp/kb/kb-kakuteishinkoku/deduction/#:~:text=%E6%8E%A7%E9%99%A4%E3%81%A7%E3%81%8D%E3%82%8B%E9%87%91%E9%A1%8D%E3%81%AF%E4%B8%80%E5%BE%8B,%E3%81%AB%E5%BC%95%E3%81%8D%E4%B8%8A%E3%81%92%E3%82%89%E3%82%8C%E3%81%BE%E3%81%97%E3%81%9F%E3%80%82

    個人事業主になるのは税務署へ開業届を提出するだけ

    サラリーマンが個人事業主になるのは、税務署へ開業届を提出するだけです。とくに開業資金もかからず個人事業主になれるでしょう。

    サラリーマンにとって代理店の副業は可能?

    サラリーマンにとっては、代理店の副業が可能です。代理店ビジネスは、さまざまな事業があり、事業によっては、開業資金もかからず、出社や通勤の必要がないビジネスモデルもあります。

    代理店が副業に向いている理由

    代理店が副業に向いている理由は、一から事業を起こす必要がなく、すでに基盤が整っている事業に取り組める点です。アルバイトやパートと違って、代理店を副業にする場合は将来的な独立や起業などが考えられます。また、事業経営の実績や経験を積める点も大きなメリットとなるでしょう。

    代理店ではなく、最初から事業を起こす場合は開業資金や経営ノウハウなどが必要です。代理店の場合は、本部企業の持つ経営ノウハウと事業環境をそのまま利用できます。

    代理店ビジネスでは、事業に取り組む時間も自由に設定できる案件が多いのも特徴です。週末起業や本業を終えてからの夜間帯でできるビジネスモデルもある点が、副業に向いています。

    サラリーマンが開業後に法人化を検討するタイミング


    サラリーマンが、副業で代理店ビジネスを開業した場合、法人化するタイミングはあるのでしょうか。一般的には、事業利益が年間で500万円~700万円ほどになってきたら法人化がコスト削減につながると判断できます。提示した数値は、節税面で法人の方が税金の掛からない点によるものです。

    たとえば、法人化するだけでも金融機関や商談相手からの信用度に違いが生まれます。個人事業主と取引きしている企業にとっては、法人であることが継続依頼の指標となるでしょう。個人事業主が亡くなった場合、相続する人がいなければ廃業となるのが特徴です。

    法人の場合は、株式の相続により実質的な支配権を得られ存続する可能性もあります。そのような視点からも選ばれるとすれば法人ではないでしょうか。

    まとめ

    今回の記事では、副業と税金をテーマに確定申告の必要性から代理店ビジネスを考察してみました。代理店は、低リスクで開業できることや自由な時間で取り組める特徴からサラリーマンの副業として適していることを解説してきました。税金対策を考えた場合は、個人事業主として税務署に開業届を提出して、節税できる制度を使うことをおすすめします。

    代理店として事業を続けていく中で、年収が500万円以上に到達する場合は、法人化のメリットを活用しましょう。法人化は、節税対策だけではなく、取引先や金融機関からの信頼度も上がります。代理店による副業を始めて、法人成りまでのビジョンを構築してみることをおすすめします。