フランチャイズのロイヤリティ相場から考える!業種別手数料や種類を紹介
フランチャイズの加盟店は、売上見込みとロイヤリティの金額が気になるところではないでしょうか。運営開始して、本部にロイヤリティを支払えるのか、金額次第でためらってしまうことも考えられます。フランチャイズに加盟しようと検討している人は、ロイヤリティの金額が重要な選定指標となるでしょう。
フランチャイズ展開を目指している企業は、加盟店希望者のロイヤリティへの考え方を意識する必要があります。この記事では、フランチャイズの加盟店が支払うロイヤリティについて相場や種類などを紹介します。本部企業を目指している方は、加盟店を募集する前の参考にお役立てください。また、フランチャイズ加盟を考えている人にとっても、ロイヤリティの相場感が伝わることでしょう。
フランチャイズの業種別ロイヤリティの相場
フランチャイズのロイヤリティ相場は、どのくらいの金額を想定しておけばよいのでしょうか。相場感の参考として、業種別に売上に対してのロイヤリティ相場を紹介します。
飲食店のフランチャイズの場合
飲食店の場合は、加盟店が現場店舗で接客だけではなく調理なども担当する分、他の業種と比べてロイヤリティが低めの傾向です。相場では、売上の3~10%ほどが想定されます。ロイヤリティが10%の場合は、月の売上が150万円であれば、ロイヤリティが15万円と考えられるでしょう。
コンビニエンスストアのフランチャイズの場合
フランチャイズビジネスでは、何かと題材に上がるコンビニエンスストアは、売上の30~60%ほどがロイヤリティの相場となっています。コンビニエンスストアは、ブランド名だけで来店する本部企業の商標の力が大きいため、業界の中でもロイヤリテイが高めです。
学習塾のフランチャイズの場合
学習塾のフランチャイズでは、売上の10~30%がロイヤリティの相場になります。学習塾は、ほとんど経営ノウハウが中心です。ノウハウと塾のブランド利用にロイヤリティの高さが関係しています。
整体・マッサージのフランチャイズの場合
整体・マッサージのフランチャイズの場合は、ロイヤリティの相場が売上の3~10%ほどと考えられます。ロイヤリティは、本部が加盟店にどの程度関わるかによっても異なるでしょう。
不動産紹介業のフランチャイズ
不動産紹介業の場合は、定額制のロイヤリティが考えられます。月換算にして10万円~25万円ほどです。
小売業のフランチャイズ
小売業のフランチャイズの場合は、コンビニエンスストアよりも低めですが月額10%程度のロイヤリティが相場になります。小売業といっても幅が広いため、支払い方式は本部企業や扱う商材によっても異なるでしょう。
サービス業のフランチャイズ
サービス業のフランチャイズは、ハウスクリーニングや御用聞きなど幅広いサービスがあります。店舗を持たずに実際のサービスを提供して対価を得る形式です。ロイヤリティの相場は、5~20%ほどになります。仕入れなどが不要な分、ロイヤリティも低くなっています。
ロイヤリティの種類
ロイヤリティの相場は、支払う形式によっても変わってきます。通常は、売上に対しての割合となるロイヤリティと定額で支払うロイヤリティの2種類が考えられるでしょう。ここでは、フランチャイズで活用されるロイヤリティの種類について紹介します。
売上歩合方式
売上歩合方式のロイヤリティは、売上の多い加盟店に対して有効な手数料の仕組みです。ブランド力のある本部企業にとっては、売上に対しての割合でロイヤリティを支払ってもらうため、加盟店が稼げば稼ぐほど便乗して本部企業の利益も増えていきます。
たとえば、加盟店の売上歩合が30%の場合は、月に200万円の売上を出したとしましょう。ロイヤリティの計算は次のとおりです。
200万円×30%=60万円
本部企業は、加盟店の売上が伸びていればロイヤリティも増えていきます。ただし、売上が落ち込んでくれば、本部企業もロイヤリティが下がってしまう仕組みです。売上歩合方式は、加盟店の売上次第で決まる特徴を持っています。
粗利分配方式
先ほどの売上歩合方式の場合は、加盟店における月の売上の割合でロイヤリティが決まる方式です。そのため、1カ月に掛かった経費も含まれています。粗利分配方式は、粗利に対しての割合です。経費の割合が大きいビジネスモデルであれば、粗利分配方式のロイヤリティが加盟店に負荷をかけない形となります。
たとえば、価格5,000円の商品を1カ月で200個販売した月の売上が100万円の小売業だったとしましょう。本部からの商品仕入れ原価が3,500円で、販売コストが500円だとすると、粗利益は商品1個につき1,000円を200個売ったので20万円です。この例から売上歩合方式と粗利分配方式どちらもロイヤリティを20%で設定した場合、次の結果となるでしょう。
粗利分配方式の場合:粗利益20万円×20%=4万円
同じ、販売実績でもロイヤリティの形式によってこれだけの差が生まれます。利益率の高いビジネスモデルであれば、売上歩合方式が加盟店にとって優位になるでしょう。利益率の低いビジネスモデルであれば、粗利分配方式が加盟店の負担を小さくします。
定額方式
売上や利益率などに関係なく、毎月定額のロイヤリティを支払う形式が定額方式です。定額方式は、営業力のある加盟店であれば大きな収益を見込めます。加盟店にとっては、売上を伸ばしてもロイヤリティの増えない点が魅力です。本部企業にとっては、加盟店の売上が低くても一定のロイヤリティを見込めるため、安定した収益を得られます。たとえば、次のような売上実績のビジネスモデルがあったとしましょう。
2月売上:80万円
3月売上:150万円
上記の実績から20%の売上歩合方式と20万円の定額方式を比較してみました。
【売上歩合方式】
1月売上:120万円×20%=ロイヤリティ24万円
2月売上:80万円×20%=ロイヤリティ16万円
3月売上:150万円×20%=ロイヤリティ30万円
【定額方式】
1月売上:120万円=ロイヤリティ20万円
2月売上:80万円=ロイヤリティ20万円
3月売上:150万円=ロイヤリティ20万円
上の例では、3カ月のロイヤリティとして売上歩合方式で70万円、定額方式で60万円支払っていることになります。ポイントは、売上の多かった3月の実績において、定額方式の場合は毎月固定の20万円で済むことです。売上を伸ばせる加盟店にとっては、定額方式のフランチャイズビジネスが適しているかもしれません。
まとめ
今回は、フランチャイズの業種別ロイヤリティ相場について解説してきました。本部企業は、加盟店の実績から加盟店が魅力に感じる部分と自社の収益のバランスでロイヤリティを設定しましょう。ロイヤリティを設定する際は、相場感だけではなく加盟店の予測売上や粗利率なども参考にする必要があります。
フランチャイズは、加盟店との関係性を継続し、加盟店に稼いでもらうことで成り立つビジネスモデルです。加盟店の負担ばかりが掛かるロイヤリティでは、フランチャイズ展開が進まないどころか減速してしまうかもしれません。基本は、加盟店が大きく売上を伸ばそうと目標におけるロイヤリティの設定が求められるでしょう。