生命保険販売の代理店ビジネスを徹底解説!構造や役割・メリット紹介


「生命保険の代理店ってどんな仕組みになっているの?」

生命保険販売の代理店になるには、どのように進めていけばよいのでしょうか。この記事では、生命保険代理店のはじめ方から構造、役割など紹介します。

生命保険販売の構造

生命保険販売の代理店ビジネスを理解するためには、保険販売の構造を知ることが必要です。保険販売の構造は、大きく2つの事業に分けられます。

 保険業:一般的な保険販売(生命保険・損害保険)
 少額短期保険業:保険期間2年以内および1,000万円以下の保険金額

生命保険商品を提供する本部保険会社は、自社の営業リソースによる顧客獲得だけではありません。販路拡大と売上増大を目的に、代理店と委託契約を結びます。生命保険の代理店は、第3者機関として、生命保険商品の販売を担当する仕組みです。

生命保険販売代理店の役割

生命保険販売の代理店の役割について解説しましょう。生命保険代理店は、本部保険会社と顧客の仲介役になります。実際は、顧客と保険会社の契約です。代理店の役割は次の通りです。

 保険商品の勧誘
 保険契約の手続き案内
 保険料の領収
 顧客の保険相談
 解約・変更手続きサポート
 保険金受け取り請求サポートなど

生命保険代理店の役割は、本部保険会社との委託契約内容次第で、担当業務が違いがあるでしょう。

保険代理店のビジネスモデル

保険代理店のビジネスモデルは、生命保険販売と損害保険販売でビジネスモデルに違いがあります。

生命保険販売代理店のビジネスモデル

生命保険販売代理店のビジネスモデルは、保険契約獲得により保険会社から成約手数料を受け取る形式です。一般的に5%~7%の成果手数料となります。

保険商品により、手数料受領期間が設けられているため、終身保険の契約が取れたとしても、手数料受領期間にそって報酬が支払われる仕組みです。

損害保険販売代理店のビジネスモデル

損害保険販売代理店の場合は、保険契約獲得により保険会社から成約手数料として、一般的には、15%~20%が設定されています。

損害保険販売の場合は、代理店の業績や規模などを参考に算出された手数料ポイントの加算となる仕組みです。損害保険販売の手数料報酬は、「損害手数料×手数料率×手数料ポイント」により計算されます。

保険代理店のタイプ


保険代理店の3つのタイプについて紹介しましょう。

 乗合代理店
 専属代理店
 独立系FP

乗合代理店

乗合代理店は、生命保険の比較に向いているタイプです。乗合代理店は、複数の保険会社の保険商品をあつかえて、保険商品を比較検討に向いています。

専属代理店

専属代理店は、特定の保険会社と専属契約するタイプです。専属契約している保険会社の保険商品に詳しく、知識がある点をアピールできます。

独立系FP

独立系FPとは、国家資格のファイナンシャルプランナー保有者が専門家の目線で保険商品を紹介したり、助言して勧誘する代理店タイプです。独立系FPは、個人事業主やFP資格保持者の集まるグループ法人などがあります。

生命保険販売代理店になるには

生命保険販売代理店になるには、保険会社での代理店研修を受けて、一般課程の資格取得が必要です。資格を取得したうえで保険会社に代理店として登録されます。

開業に必要な準備

生命保険代理店を開業するには、準備が必要です。先述した保険会社に代理店として登録することも準備の1つとなります。さらに、事前の市場調査は不可欠となります。開業する地域や対象とするターゲットの動向など、保険会社登録前に調査しておくことが大事です。

また保険販売は、法的なルールが改正されやすく、開業にあたり法律や国の動向などを調べておく必要があります。生命保険代理店の実店舗をかまえて開業する場合は、次の準備も考えられるでしょう。

 店舗物件および店舗内外装の工事
 スタッフの確保と教育
 保険販売に必要な設備・事務機器の導入

開業資金は

生命保険代理店の開業資金について、一般的な初期費用の目安は次の通りです。

 店舗物件取得費用:200万円~300万円
 店舗物件内外装費用:400万円~600万円
 資格取得費用:2万円~4万円
 設備・事務機器など備品購入費:200万円ほど
 広告出稿費用:30万円~50万円

あくまでも、地域や社会情勢により変動することが考えられるため、初期費用の目安となります。

登録方法

生命保険販売代理店の登録は、保険会社の研修を終えて、資格試験に合格して代理店の委託契約を結ぶことが必要です。保険会社と代理店契約を終えてから、代理店所在地の管轄財務局へ保険販売代理店として登録します。事業の登録とともに、保険販売にたずさわる担当者の届け出も財務局で手続きが必要です。

生命保険代理店に必要な資格

生命保険販売代理店になるための資格について紹介しましょう。

生命保険募集人試験

生命保険販売代理店になるためには、一般課程の生命保険募集人試験に合格する必要があります。あらかじめ保険会社での3カ月研修に参加して、単位取得が必要です。研修は、登録前研修と登録後研修の両方が必要となります。さらに、保険代理店としての知識習得や能力向上を目指すために上位資格の取得が可能です。

 専門課程:試験合格により「ライフ・コンサルタント」の称号授与
 応用課程:試験合格により「シニア・ライフ・コンサルタント」の称号授与
 生命保険大学課程:試験合格により「トータル・コンサルタント」の称号授与
 変額保険販売資格:資格取得には生命保険募集人および専門課程合格者であることが条件

代理店が開業後に受けられるサポート

生命保険販売では、代理店が開業後に保険会社より受けられるサポートがあります。

 上位資格取得の研修・勉強会
 スキルアップのためのe-ラーニング
 保険会社社員と実践営業研修など
 保険税務相談
 コンプライアンス相談
 経営支援相談など

生命保険代理店にもフランチャイズ制度がある

生命保険販売代理店は、知識習得や資格取得のため、研修や相談窓口の利用が必要です。そのため、本部保険会社との関係性が深くなる傾向となります。生命保険販売の代理店ビジネスでは、フランチャイズ形式も多く、本部との関係性を強化したビジネスモデルとして代理店開業のハードルを下げる役割となるでしょう。

たとえば、フランチャイズにより保険販売の代理店では加盟金や月々のロイヤリティを低くできることが期待できます。

保険代理店に依頼する顧客のメリット・デメリット


顧客が保険代理店に依頼するメリットを紹介しましょう。

メリット

顧客が代理店を通して保険契約するメリットは、複数の保険会社の保険商品を比較検討できる点です。生命保険や医療保険、火災保険、自動車保険など同じ代理店で一元管理できる点もメリットになります。代理店に対して、保険会社は専門知識がなくても、保険相談によるサポートが期待できるでしょう。

デメリット

顧客側から見て、代理店を通した契約の場合、オンラインによるダイレクト型保険商品に比べると保険料が高めとなる点がデメリットです。

保険代理店となるメリット・デメリット

保険販売代理店をはじめるメリットやデメリットについて解説します。

メリット

生命保険商品の購入は、人生において重要な買い物です。保険商品購入につなげるための知識や経験が必要となります。知識や経験を吸収することにより、提案力や人脈も広がってくる点がメリットとなるでしょう。

デメリット

生命保険販売代理店のデメリットは、固定給でなく成果報酬の点です。契約手数料が成果報酬となるため、成果を出せなければ収入が増えない点がデメリットとなります。

まとめ

今回は、生命保険販売の代理店について解説してきました。消費者にとって生命保険商品の購入は、人生の中で最も重要なライフプランの提案となります。そのため、代理店が自分の知識を高められる点が特徴となるでしょう。自分のライフプランを兼ねて成長を考えている人には、向いている代理店ビジネスになります。