新店舗の出店4つの方法とは?開業時に欠かせない注意点を紹介


「新しくお店を持ちたい」
「自分のお店で経営をしたい」

このように、新店舗を検討する人もいることでしょう。お店を持つことはどのような方法があるのでしょうか。この記事では、事業を始めようとしている人が出店する方法を解説します。

事業を始めようとしている人が新店舗を出店する方法


飲食店やエステサロンなど事業を始めようとしている人は、少なくないでしょう。コロナで人流が減っていた状況から、コロナ前まで戻りつつある現在、店舗経営もひとつの手段と考えられます。新しく店舗を出店する方法はいくつかの種類があります。それぞれ紹介してきましょう。

自己資金開業

新しく出店する方法でもっとも正統派の方法は、自己資金開業です。自己資金開業は、自分で事業アイデアを考え、自己資金や融資などで出店します。自己資金開業は、すべて自分で判断する自由度の高い出店方法です。自由な経営を目指す人や収益を自由に活用したい人向けの選択肢ではないでしょうか。ただし、すべては自己責任となるため、相応の知識や経験が求められるでしょう。

間借り・貸店舗経営

出店資金が思うように準備できない人は、賃貸物件を借りたり、既存の店舗の一角を間借りしたりすることも可能です。間借りや貸店舗経営で開業する方法は、自分の名義で物件を所有する必要がありません。あくまでも借りた物件です。そのため、開業資金を抑えた新規開店を実現できます。

ただし、物件の貸主による制約などが考えられるため、開業する事業内容によっては自由な経営ができないかもしれません。たとえば、夜間の営業や音、においなどです。自由度を求めるのであれば、自己資金開業で始める必要があります。

フランチャイズ加盟

新規店舗開業は、フランチャイズ加盟という方法もあります。フランチャイズ加盟は、本部企業の商標やビジネスモデルを利用できます。再現性の高いビジネスモデルで加盟店として独立できる方法です。

フランチャイズは、事業計画を立てたり、販売戦略を立てたりすることが苦手な事業者でも本部企業からのサポートやノウハウなどが受けられます。ただしそれらを活用するためには、本部とフランチャイズ契約を交わし、加盟金やロイヤリティなどの支払いが必要です。

代理店制度

代理店制度は、フランチャイズ加盟に近い本部と事業者の契約の上で成り立つビジネスモデルです。代理店制度は、フランチャイズ加盟ほど交わす契約が厳しくなく、特定の業務のみで業務委託の関係となります。基本的には、契約期間中に委託された業務のみを代理店の能力で遂行する仕組みです。

代理店制度では、本部から提供される商材に対して、紹介までを担当する紹介代理店や販売までを担当する販売代理店などがあります。代理店制度は、販売方法や紹介方法などに制約が少ない点もフランチャイズ加盟より自由度のあるビジネスモデルです。

出店に向けて欠かせない準備


新しい店舗で開業する際は、何かと準備が必要です。やみくもに出店したところでうまくいくはずもありません。では、出店に向けて欠かせない準備はどのような注意点があるでしょうか。

何で稼ぐかを明確にする

基本的な準備として欠かせない注意点は、「何の事業で稼ぐのか」を明確にすることです。何となく飲食店をやってみたいとか、知人がキッチンカーで稼いでいるとか周囲の状況に流されて出店すると基準があいまいなだけに失敗する可能性も高くなります。

出店準備で必要なことは、「どんな業種でどのようなサービスを中心にして開業するのか」を決めることです。お店の具体性と、販売する商材の具体性が見えてこないと経営の方針も明確にできません。もし中途半端な状態のまま出店してしまったら、途中で方針変更など迷走状態になるでしょう。そのため、出店前には、出店後5年くらい先を見据えた出店計画を作成することをおすすめします。

出店計画を作成する際は、自分だけが理解できるレベルではなく、客観的に把握できる計画書を作ることが大事です。客観的な計画書は、軌道修正が必要になったときの振り返りで失敗要素や成功要因などを把握できます。

店舗のコンセプトを明確にする

出店は、単純に店を構えるだけではありません。「このような店舗経営を目指したい」という目標にもなるコンセプトを持つことが大事です。コンセプトは、会社の理念でもありビジネスの方向性や概念をあらわします。たとえば、「待ち時間のないテイクアウト専門店」というコンセプトを打ち出すのであれば、顧客を待たせない配慮や工夫が求められます。

具体的には、完全予約注文制でスマホアプリ限定の注文もひとつの方法です。来店者を待たせないというコンセプトを明確にすれば、「どのように提供すれば来店者を待たせず提供できるか」という一貫したテーマで事業を進められます。一貫性のあるコンセプトは、そのテーマに共感を持つファンを生み出します。共感の上で成り立つファンは、SNSの投稿など自主的な発信を期待できます。

現状を把握する

事業計画は、現状を把握できていなければ作成できません。出店するにあたり、実現可能な計画かどうかという点も重要なポイントです。現状を把握するには、自社ビジネスの環境分析が必要です。マーケティングで使われる環境分析のフレームワークのひとつに3C分析があります。3C分析では、次の環境要因が分析対象です。

Company(自社):自社の現状を知る
Customer(顧客・市場):自社の顧客と市場状況を知る
Competitor(競合他社):自社ビジネスの競合相手を知る

 
事業未経験の場合でもこれらの環境要因を洗い出して、現状を把握したうえで出店計画を立てることが必要です。環境要因を把握することで現状のリソースで可能な範囲と、外部の力を活用しなければできない部分が明確になってきます。これらの分析は、出店後に問題が発覚することを防ぐ役割を持っています。

売上を予測する

出店にあたり、店舗の売上を予測することは事前にやっておきたいことです。店舗経営が始まれば、すべての行動が売上に直結していきます。そのため、どこに無駄があってどこに投資が足りないのかを見抜くことが大事です。経営を有効に進める場合は、売上予測の数値を設定し、予測に沿った事業計画で取り組む必要があります。売上予測を立てる際は、以下の分析方法が活用できます。

重回帰分析:複数の要因と変数の因果関係をあらわす関数分析
類似店分析:商圏や業種形態の類似する店舗のデータを扱う分析
回転率算出法:在庫の回転期間で算出する分析
ハフモデル:店舗立地や規模などから集客率を算出する商圏分析

目標数値を決める

前述した売上予測は、出店後の目標数値の比較対象として活用できます。出店前の準備期間に、ある程度の売上予測を数値化できていれば、売上の見込みも明確なことでしょう。それらのデータをもとに、出店時期やビジネス展開などを判断します。

まとめ

この記事では、新店舗の出店方法について、4つの種類などを解説してきました。また、出店前の事前計画なども紹介しました。事前準備で説明した内容は、店舗経営に欠かせない確認事項だと考えられます。それらの確認事項を参考にして、どのような出店方法で開業するか考えることが大切です。出店のハードルを下げるのであれば、フランチャイズ加盟や代理店制度などで負担を下げることも必要でしょう。