明解!代理店の種類|業種・契約形態別21種を一挙公開
「代理店になって事業を始めたいけれど、どんな種類があるのかわからない」
代理店制度を活用して事業を始めようとしている人は、自分がどの代理店と相性が良いか?を把握しておく必要があります。今回は、代理店の種類を業種と契約形態に分けて紹介します。各代理店の特徴から自分に合った代理店探しのヒントにしてみてください。
代理店の種類:業種別6種
代理店の種類では、業種に紐づいて仕組みが定着しているビジネスモデルがあります。業界ごとに代理店制度が根付いている点が特徴の代理店です。
保険代理店
代理店を管轄する本部が保険会社となる保険代理店は、おもに本部企業が開発した生命保険や損害保険などを本部に代わって営業販売する役割を持っています。保健代理店は、保険会社本部の商品を提案して契約まで至った場合、契約手数料を報酬として受け取る仕組みで成り立ちます。
旅行代理店
旅行代理店は、国家資格の旅行業務取扱管理者が手がける個人・団体ツアーなどを商品化(パッケージ化)して販売する代理店です。オンライン需要の拡大で、無店舗型の旅行代理店でも集客が可能になっています。旅行代理店は、旅行を計画している消費者に代わって、新幹線や飛行機の予約、宿泊施設の予約などを代理します。旅行行程の手続きを代理して、宿泊施設や交通会社からの仲介手数料で運営するビジネスモデルです。
運送代理店
個人事業主ひとりでも取り組みやすいビジネスモデルが運送代理店です。運送代理店は、ネット通販などで需要の拡大した物流業界に欠かせません。個人の代理店でも軽貨物運転手として小回りを利かせれば企業や小売店を相手にビジネス展開が可能です。
正規代理店(認定代理店)
自動車業界で採用されているビジネスモデルなのが正規代理店です。正規代理店は、大手自動車メーカーの正規代理店としてブランドの利用を認められます。正規代理店は、高額な商材をあつかうメーカーから認められている称号ともいえるため、代理店としての信頼性を訴求できます。
広告代理店
BtoBで企業の広告をあつかう広告代理店は、広告掲載を依頼する企業に代わってメディアへの広告出稿を行います。たとえば、企業がテレビや新聞への広告掲載を依頼した場合、広告主に代わって掲載手続きや広告の管理などを行い、その手数料を報酬としているビジネスモデルです。
施工代理店
家電量販店などで購入したエアコンなど、購入した製品に施工工事が必要な場合、店舗に代わって現地で施工するビジネスモデルが施工代理店です。施工代理店は、依頼主であるメーカーの指示どおりに消費者宅で施工するだけの業務内容です。営業活動は一切ないため、施工サービスを仕事にしたい人に向いています。
代理店の種類:契約形態別15種
代理店の種類は、契約形態で分けると15に分けられます。それぞれの代理店形態を紹介しましょう。
専属代理店
保険業界の代理店で採用されている契約形態では、専属代理店があります。専属代理店は、1社限定で契約する形式です。本部企業の専属として委託契約します。
乗合代理店
乗合代理店は、保険会社1社だけではなく、複数の企業の保険商品を取りあつかう代理店です。複数の商品を比較紹介できる点が強みとなるでしょう。
専業代理店
保険業界の場合は、保険販売を専業としている代理店のことを専業代理店と言います。他の分野でも、事業者が専業で取り組んでいれば専業代理店となるでしょう。
副業代理店
副業代理店は、代理店事業者が他のビジネスに従事していて、空いた時間で副業として取り組む形式です。自動車販売店が自動車購入時の任意保険の加入などを提案する形式が副業代理店にあたります。
個人代理店
個人代理店は、個人事業主がメーカーと委託契約を結ぶ形式です。個人事業主や会社員の副業として開業するビジネスモデルになります。
法人代理店
法人代理店は、メーカーと企業自体が代理店契約を結ぶ形式です。メーカーは、企業の営業力や組織力に期待して法人代理店を求めることもあります。
販売代理店(再販代理店)
代理店の形態の中で、一般的に認知されているビジネスモデルが販売代理店です。メーカーに代わって、メーカーの商材を販売します。場合によっては、顧客のアフターフォローまでも担当することもあります。基本的には、メーカーより商材を仕入れて、販売代理店が利益を上乗せした形で販売する仕組みです。
紹介代理店(取次代理店)
紹介代理店は、顧客との売買契約に携わらないビジネスモデルです。メーカーの商材を顧客に紹介して、その顧客をメーカーへ取り次ぎます。送客後の売買契約は、メーカーが行うため販売代理店のような仕入れリスクがありません。メーカーに取り次いだ顧客が購入まで至ったときに、契約で定められている割合の販売手数料を報酬として受け取ります。
フルコミッション
フルコミッションの形式は、完全な歩合制で報酬を受け取るビジネスモデルです。そのため、成果がなければ報酬の発生しない業務委託契約となるでしょう。不動産管理事務所などで採用されている物件の成約などがフルコミッションとなる場合が考えられます。
販売店
販売店は、代理店というよりもスーパーマーケットやコンビニ、書店などの店舗などの小売業者を対象としたビジネスモデルです。メーカーの商品を店舗として仕入れて利益を上乗せしたうえで販売します。
特約店
あるメーカーの商品だけを取り扱っている店舗は、特約店と呼ばれる形式でメーカーと契約しています。特約店は、メーカーと特別な契約を交わしているビジネスモデルです。メーカーの商品に対して特別優遇された内容で販売できるメリットが考えられます。逆に、メーカー以外の競合類似商品を取りあつかえず、販売数にノルマを設けられることもあります。
一次代理店二次代理店
携帯電話やネット回線などの市場では、メーカーが代理店を階層構造で展開しているケースもあります。一次代理店や二次代理店は、そのような階層構造の仕組みでそれぞれの立場で位置します。メーカーは、一次代理店に二次代理店の管理支援を委任して直接のやり取りを一次代理店だけと行うイメージです。二次代理店は、一次代理店の支援を受けながら営業活動を展開します。
販売パートナー
代理店ビジネスでは、メーカーが代理店となる事業者を「パートナー」と呼び、上下関係のない互角な関係を強調する場合があります。本部と代理店の壁をなくして、同等のビジネスパートナーという意識を強調している契約では、代理店ではなく販売パートナーが使われます。
OEM
OEMは、メーカーが自社で開発した商品を代理店のオリジナル商品として販売するビジネスモデルです。OEMは、化粧品などで採用されています。化粧品を製造開発しているメーカーが商品の中身を提供して、代理店に商品のネーミング権を与えるイメージです。代理店は、自社商品としてビジネスを始められます。
OEMの場合は、ある程度の仕入れロットが設定されるため、初期費用が掛かります。ただし、仕入れた商品の価格設定は、代理店側にあるため自由度の高いビジネスを展開できます。
まとめ
今回は、代理店のビジネスモデルについて、業種や契約形態別の種類を紹介してきました。代理店として開業を検討中の方は、自分に合ったビジネスモデルを見つける指標としてください。